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【経済】NYの視点:BOE会合前にいったんポンド売り持ち手仕舞う動き


英国中央銀行(BOE)は、8月4日に金融政策決定会合を予定している。英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決定後、7月に続き2回目の会合となる。カーニー総裁は英国民投票の結果判明直後に会見を催し、景気見通しに一段の不透明感が広がることを理由に、「夏の利下げの可能性」を示唆。このため、英国金利先物市場での8月会合での利下げ確率は98%に達した。

今まで、利下げに転じるためには「それなりの証拠が必要」と指摘していたタカ派で知られるウィール金融政策委員会(MPC)委員が、低調なPMIを受けて「速やかな緩和が必要」と姿勢をハト派に転換したことも、市場の利下げ観測を強めた。英国の7月製造業PMIは速報値から予想外に下方修正され過去3年間で最悪に落ち込んだ。

一方、英7月建設業PMIは2年半ぶりの低水準に落ち込んだものの、市場予想は上回った。利下げをほぼ100%織り込み確実視している市場では、「英中銀が市場を落胆させるリスク」を懸念し始めている。シカゴ先物市場での投資家・投機家のポンド売り持ち高は、1992年来で最大に達している。市場がポンド売り持ちに大きく傾いていることも、ポンドの一段の下落余地を狭める。

市場エコノミストは、BOEが政策金利を現行の0.5%から0.25%に0.25%ポイント引き下げる一方、資産購入目標を3750億ドルに据え置くと見ている。同時に、2018年までの成長見通しを引き下げ、インフレや失業率の見通しを引き上げると見ている。もし、予想に一致した場合、利食いが先行しポンドが反発する可能性もある。景気動向を見極めるには、一段の時間が必要となる可能性を指摘するアナリストもいる。万が一、期待に反してBOEが金融政策を据え置いた場合、ポンドは急伸することになる。

《NO》

 提供:フィスコ

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