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【経済】NYの視点:米国経済指標、強弱まちまちで金利見通し不透明に


米商務省が先週末発表した4?6月期国内総生産(GDP)の成長が予想の半分にも満たず米国経済の先行きに不安がひろがった。個人消費が伸びた一方で、企業の設備投資が予想以上に鈍化。やはり米商務省が先週発表した耐久財受注において企業の設備投資の先行指標となる資本財(非国防、除航空機)受注は2016年上半期、前年同期比で3.5%減となった。中国の景気鈍化や英国の欧州連合(EU)離脱などが影響したと見られている。2016年上半期の成長は年率で1%にとどまった。また、過去7年間のリセッションからの景気回復期の成長率の平均は2.1%で、戦後最低となる。

米供給管理協会(ISM)が発表した7月ISM製造業景況指数は52.6と、市場予想53.0を下回ったものの5か月連続で50を上回り活動の拡大を示した。主要項目である新規受注は56.9と、7カ月連続で50を上回った。ただ、雇用は再び50を割り込み、製造業の雇用は縮小に転じた。輸出も52.5と、5か月連続で50を上振れたが6月53.5からは低下。

一方で、民間マークイットが発表した製造業PMIは52.9と、9か月ぶりの高水準に改善した。生産、新規受注、雇用の伸びが全体指数を押し上げた。マークイットによると、製造業が第3四半期の経済に与える損傷は上半期に比べて軽減しており、製造業や輸出の改善が第3四半期の経済を支援することになると楽観的な見通しを示した。

米国経済の強弱まちまちな結果に、金利ペースを見通すことがいっそう困難となっている。低調な4?6月期GDPにもかかわらずNY連銀のダドリー総裁やダラス連銀のカプラン総裁は「データが支援すれば、9月連邦公開市場委員会(FOMC)でも利上げを議論する公算は非常に大きい」と、「年内の追加利上げの可能性を除外するのは時期尚早」と強気の見方を維持している。2016年の成長も依然2%近辺を予想しているようだ。

《WA》

 提供:フィスコ

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