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【経済】アベノミクス再起動もブロークンアローはどこに


先週27日、安倍首相が突然、事業規模28兆円を上回る大胆な経済対策をとりまとめるとブチ上げた。またこれに呼応するように、日銀金融政策会合において、黒田総裁はバズーカ砲とまではいかないものの、上場投資信託(ETF)の買い入れ額をほぼ倍増させるという追加緩和に踏み切った。
 世界経済への懸念、日本の景気不透明感やデフレに回帰しそうな流れを受けて、アベノミクスは正念場を迎えている。参議院選挙後、安倍首相は「アベノミクスのエンジンをもう一度最大限ふかす」と述べていたが、今回の政府・日銀の呼吸を合わせた動きは、まさにアベノミクス再起動を賭けた動きといえよう。
 しかし、今回放たれたのは、またもや1本目の矢である「金融緩和」と、2本目の矢である「機動的な財政出動」である。初期アベノミクスでブロークンアロー(折れた矢)となった第三の矢「大胆な規制緩和」には今のところ言及がない。
 アベノミクス再起動で、今度こそこの肝心の第三の矢が放たれるのかがやはり問題である。基本的に規制緩和には財政出動が1円も必要ない。知恵次第で税金をかけずに成長戦略や構造改革を推進することができる。
 安倍首相は「エンジンをふかす」と言ったが、エンジンの空ぶかしでは前には進まない。第三の矢を放って、実際に前進することが必要である。
《YU》

 提供:フィスコ

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