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【注目】前週末29日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

富士通 <日足> 「株探」多機能チャートより

■富士通 <6702>  433円 (+32.7円、+8.2%)

 富士通 <6702> が急伸。同社は28日に16年3月期第1四半期決算を発表。112億円の営業赤字となったものの、177億円の営業赤字とされた市場コンセンサスは上回る格好となった。仏系有力証券では、リストラに関しての真新しいニュースはなかったものの、テクノロジーソリューションセグメントのマージン改善は評価したいと指摘。レーティングを「アンダーパフォーム」から「買い」に引き上げ、目標株価475円は継続している。

■三菱UFJ <8306>  522円 (+37.4円、+7.7%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> などメガバンクが買いを集める展開となった。日銀の金融政策決定会合の行方に注目が集まっていたが、後場取引時間中に追加緩和を決定、これを受けて全般は乱高下の展開となった。ETFの買い入れ枠を6兆円に倍増させる一方、国債買い入れ枠やマイナス金利は現状維持としたが、銀行セクターにとって収益面で逆風となるマイナス金利の深掘りは見送られたことで、これが好感される格好となった。なお、マイナス金利の影響が一段と大きい地銀株も軒並み上昇している。

■東海理化電機製作所 <6995>  1,981円 (+141円、+7.7%)

 東海理化 <6995> が3連騰。28日後場に発表した17年3月期第1四半期の連結決算を好感した流れが続いた。SMBC日興証券は同社の第1四半期営業利益はコンセンサスを上回る2ケタ増益であったことから、第一印象はポジティブとリポートで紹介。好決算を受け短期的に株価は大きく変動する公算が大きいとみるほか、従来から心配されていたリコールはこの第1四半期では発生しておらず、後発事象としてもそういった事実は今のところないと解説。業績予想を上方修正し、目標株価は1650円から1900円へ引き上げ、投資評価は「2」を継続している。

■コンコルディ <7186>  444.2円 (+31.2円、+7.6%)

 28日に発表した「株主優待制度を新設」が買い材料。株主優待制度を新設。定期預金などの金利優遇や外貨両替レート優遇といった優待メニューの中から、500株以上1万株未満保有する株主には1つ、1万株以上保有株主には2つを選択してもらい適用する。基準日は初回のみ16年9月末日、以降は毎年3月末日となる。

■日本ガイシ <5333>  2,489円 (+168円、+7.2%)

 日本ガイシ <5333> が急伸。同社が28日取引終了後に発表した17年3月期第1四半期(4-6月)連結決算は、売上高が989億7500万円(前年同期比5.3%減)、営業利益は191億5100万円(同3.9%減)、最終利益は126億4600万円(同8.7%減)と減収減益決算だった。輸出企業の4-6月期決算は円高の影響により前年同期比で大きく落ち込むケースが多いが、海外売上高比率が7割を占める同社が営業4%減益でとどまったことはむしろポジティブサプライズとなり、一気に買い戻しを誘発する格好となった。世界的な排ガス規制強化の流れを受け、自動車向けセラミックス技術などの海外需要が旺盛で、その将来性に期待する声も出ている。

■JSP <7942>  2,372円 (+158円、+7.1%)

 JSP <7942> が28日大引け後(15:00)に決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比36.6%増の22億円に拡大し、4-9月期(上期)計画の43.5億円に対する進捗率は50.6%に達し、5年平均の42.7%も上回った。

■キッツ <6498>  554円 (+34円、+6.5%)

 キッツ <6498> が28日大引け後(15:00)に決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比21.0%増の18億円に伸びた。

■太平洋工業 <7250>  1,166円 (+71円、+6.5%)

 太平洋工業 <7250> がマドを開けて買われ3日続伸。同社は28日取引終了後に17年3月期の連結業績予想の修正を発表、売上高は1030億円から1000億円(前期比6.4%減)へ、営業利益を72億円から70億円(同11.0%減)へ、最終利益を60億円から58億円(同18.5%減)へそれぞれ下方修正している。同社はトヨタ系のタイヤバルブ大手メーカーだが、中国の景気減速や為替円高の影響を受け、業績は逆風局面にある。通期業績予想の下方修正も減額幅が小幅にとどまったことが逆に買い戻しを誘発する格好となった。同社の東証信用残は直近22日申し込み現在で信用倍率0.25倍と大幅に売り長の状態で、これが株価に浮揚効果を与えている。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,703円 (+337円、+6.3%)

 ソフトバンクグループ <9984> が反発。同社が28日取引終了後に発表した17年3月期第1四半期(16年4-6月期)の連結決算は、売上高が2兆1265億2100万円(前年同期比2.9%増)、営業利益3192億3600万円(同0.2%増)、最終利益2541億5700万円(同19.1%増)だった。米国で展開するスプリント事業の売上高は減少したものの、国内通信事業で通信収入が拡大したほか、ヤフー事業、流通事業も好調でこれを補い、コスト面の合理化効果も寄与した。最終利益については中国アリババ集団などの株式売却益も反映され2割近い増益となったことで、これを素直に好感する買いを誘導している。

■富士紡ホールディングス <3104>  305円 (+18円、+6.3%)

 富士紡ホールディングス <3104> が後場に入って急伸。同社は29日午前11時30分に、17年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益は従来予想の45億円から55億円(前期比51.7%増)に引き上げた。売上高予想は420億円から415億円(同8.9%増)に引き下げたが、半導体デバイスおよび一般工業向け研磨材事業が好調に推移していることが利益を押し上げる。

■東洋水産 <2875>  4,580円 (+245円、+5.7%)

 東洋水産 <2875> が反発し、年初来高値更新。29日午後12時30分ごろ、17年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表し、売上高は910億7300万円(前年同期比1.2%減)、営業利益は72億1200万円(同17.4%増)と、営業利益が2ケタ増益だったことが好感された。主力の即席麺事業では、海外市場はメキシコ通貨安など為替の影響で減収となったが、国内市場はカップ麺を中心とした和風麺シリーズなどが好調に推移し、全体の業績を牽引した。また、加工食品事業や冷蔵事業も営業増益に寄与した。なお、通期業績予想は従来見通しを据え置き、売上高3950億円(前期比3.1%増)、営業利益290億円(同2.4%増)を見込んでいる。

■SCSK <9719>  4,300円 (+200円、+4.9%)

 東海東京調査センターでは、29日は追加緩和の有無や内容によって乱高下することが見込まれるものの、日本企業の業績悪化懸念は6月にかけていったんは織り込んでいるため、中期的に見れば米景気の堅調や経済対策により日本企業は業績下支えが期待できると指摘。追加緩和が失望となっても突っ込み買いスタンスとして、28日の決算発表をみると情報サービス企業の好決算や自動車部品株の一角で健闘が目立ったことから、個別ではSCSK <9719> 、小糸製作所 <7276> に注目としている。

■SBIホールディングス <8473>  1,129円 (+52円、+4.8%)

 28日、SBIホールディングス <8473> が発行済み株式数(自社株を除く)の3.37%にあたる700万株(金額で80億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は8月3日から9月23日まで。同時に決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益が前年同期比31.8%減の101億円に落ち込んだが売り材料視されなかった。

■アイチコーポレーション <6345>  823円 (+34円、+4.3%)

 28日、アイチコーポレーション <6345> が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比27.5%増の10.1億円に伸びて着地したことが買い材料視された。堅調な設備投資需要を背景に、電力業界やレンタル業界向けに高所作業車など特装車の販売が大きく伸びたことが寄与。上期計画の35億円に対する進捗率は5年平均の14.7%を上回る29.0%に達した。

■アイネス <9742>  1,100円 (+42円、+4.0%)

 28日、アイネス <9742> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.86%にあたる50万株(金額で5億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。また、8月16日に10.9%にあたる350万株の自社株を消却すると発表したことも支援材料。同時に決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常損益が1.5億円の黒字(前年同期は0.6億円の赤字)に浮上したことも好感された。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。


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