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2016年07月30日20時00分

【特集】高橋春樹氏【日銀が追加緩和、こう読む8月相場!】(3) <相場観特集>

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

 29日の東京株式市場は、日銀の金融政策決定会合での追加緩和決定に絡み乱高下となった。銀行や不動産株などを中心に売買が錯綜し、“ポケモン狂騒曲”の後は“追加緩和祭り”ともいうべきハイボラティリティな相場が繰り広げられた。為替も急激な円高に振れるなど風雲急の気配を漂わせている。思惑が入り乱れる8月のマーケットを市場関係者はどうみているか。株価や為替の先行きについて意見を求めた。

●「13週・26週のGC接近で中期上昇波動に信頼性」

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

 ここ数回は、日銀の金融政策決定会合の内容発表後に日経平均株価が崩れるパターンが続いていただけに、今回前日比で高く引けたことは、今後の相場にとってプラス材料といえる。注目したいのは、週足チャートの13週移動平均線と26週移動平均線に、近々ゴールデンクロスの可能性が高まっていることで、これが中期上昇波動継続の信頼性につながりそうだ。

 事前に、何らかの緩和策が打ち出されても、既に織り込み済みで売られる可能性が高いとの見方が強かったにも関わらず、日経平均がプラスで引けたのは、“上場投資信託(ETF)の買い入れ増額”と“マイナス金利の据え置き”という絶妙な組み合わせにあったようだ。

 年間のETF買い入れ額を従来の3兆3000億円から6兆円に増額することは、相当なインパクトが期待できる。さらに、現在0.1%のマイナス金利のこれ以上の深掘りを実施せずに据え置いたことで、業績悪化懸念が回避されたとの見方から、銀行株が軒並み大幅高となったことが、全体相場を明るくした。また、国債購入額の増額などを見送ったことで、緩和策の出尽くし感を回避できた。

 銀行株について、「業績面では少々減益見通しながら、PERの割安面を評価して買える」との投資判断が成り立てば、こうした東証株価指数(TOPIX)タイプの物色が他の業種に広がる可能性もある。

 今後、1ドル=105円前後で円相場が推移すれは、輸出企業の業績悪化はある程度織り込まれて、株価に与えるマイナス要素も軽減されそうだ。大きなイベントが通過したことで、来週以降は4-6月期決算の発表を評価しながら個別物色のステージとなりそうだ。

 日経平均が1万6500円台をキープして引けたことで、この水準で下値固めの動きとなりそうだ。ただ、7-9月は“下値固めの期間”と想定しており、1万6500~1万7200円のレンジでの推移が見込まれる。その後は、4月25日高値の1万7613円にトライする場面も期待できそうだ。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。


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