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【市況】米国株式市場見通し:雇用統計に注目


先週のFOMC声明では景気判断が上方修正されたほか、短期的な経済見通しに対するリスクが後退したとの文言が加えられた。利上げ時期に関して明確な手掛かりは示されなかったものの、今後は経済指標の良し悪しによって利上げ時期を占う展開となる。先週発表された4-6月期GDPは個人消費は伸びたものの、企業の設備投資が減少し、市場予想を大きく下振れる内容となった。今週は雇用統計で労働市場の堅調さを確認できるかが焦点となるだろう。1日には中国の7月製造業PMIが発表されるが、内容次第では週明けの米国株式相場にも影響を及ぼす可能性もあり、注意が必要だ。

企業決算では、製薬のファイザー(2日)、フィットネス関連機器のフィットビット(2日)、旅行口コミサイトのトリップアドバイザー(3日)、事務用品小売のオフィスデポ(3日)、メディアのタイムワーナーや21世紀フォックス(3日)、電気自動車のテスラ・モーターズ(3日)、旅行予約サイトのプライスライン(4日)、などの発表が予定されている。フィットビットの1-3月期決算は新製品の販売が好調で前年同期比50%の増収となったものの、研究開発費や販管費が増加し、同80%の減益となった。4-6月期の利益見通しも市場予想を下振れており、決算内容には注意が必要だ。

29日時点のファクトセット社の集計によるとS&P500構成銘柄の63%が決算発表を終了し、71%が利益、57%が売上高のアナリスト予想平均を上回った。全体では、先月末時点で5.5%の減益が予想されていたが、3.8%の減益見通しへと改善した。通信やヘルスケア、一般消費財セクターの成長が要因だ。特に通信大手のAT&Tは衛星放送のディレクTVの買収効果もあり、前年同期比からの利益成長が大きかった。

経済指標では、7月ISM製造業景況指数(1日)、6月個人所得・支出(2日)、7月ISM非製造業景況指数(3日)、7月ADP雇用統計(3日)、6月製造業受注指数(4日)、7月雇用統計(5日)の発表が予定されている。雇用統計では、非農業雇用者数が18万人増、失業率は4.8%増と前月から改善が予想されている。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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