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2016年07月28日17時01分

【特集】エイジア Research Memo(3):売上高、経常利益、当期純利益は2期ぶりに過去最高を更新

エイジア <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

(1) 2016年3月期の業績概要

5月10日付で発表されたエイジア<2352>の2016年3月期の連結業績は、売上高が前期比11.1%増の1,145百万円、営業利益が同34.1%増の239百万円、経常利益が同34.2%増の242百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同47.9%増の161百万円と2ケタ増収増益となり、いずれも期初会社計画を上回った。また、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新した。

「WEBCAS e-mail」を中心に主力のアプリケーション事業が前期比12.5%増と好調に推移したほか、サービスソリューション事業もコンサルティング案件の増加により同4.3%増と堅調に推移した。利益率の高いクラウドサービスの売上構成比が上昇したことで、営業利益率も前期の17.3%から20.9%に向上した。事業セグメント別の動向は以下のとおり。

○アプリケーション事業
アプリケーション事業の売上高は前期比12.5%増の962百万円、セグメント利益は同20.9%増の451百万円と2期ぶりに増収増益に転じた。EC市場の拡大を背景に、企業のマーケティング分野へのIT化投資も活発化するなかで、クラウドサービスが前期比19.0%増の659百万円と好調に推移したことが増収増益要因となった。特に、当期は他社サービスからの切り替えが多く見られたことが特徴となっている。同社サービスの使い勝手の良さやメールの配信性能の高さが評価されたものと思われる。また、ライセンス販売・保守についても前期比微増と堅調に推移した。

当期はクラウドサービスの強化を重点施策として取り組んだ。具体的には、8つの新製品・サービスを投入したほか、新規有効リードの獲得に注力した。新製品の中では2015年5月にリリースした「WEBCAS CRM」(顧客管理システム)の引き合いが強かった。同サービスは顧客情報管理に加えて、メール配信やWebアンケートシステムなど複数のサービスをひとまとめにしたもの。月額利用料は2.5万円からとなるが、契約件数は順調に伸びている。また、デジタルポスト(株)との業務提携により同年11月にリリースした「WEBCAS DM」についても顧客の関心度が高いサービスとなっている。ただ、DM作成費や郵送費もサービス料金の中に含まれるため、粗利益率は低くなっている。

注目されるのは同年11月にリリースした「WEBCAS taLk」となる。LINEビジネスコネクトを活用したセグメント抽出型メッセージ配信システムで、2016年5月に(株)ルミネでの導入事例を発表以降、問い合わせが急増している。ルミネは従来からLINE公式アカウントを活用した一斉情報配信を会員向けに行ってきたが、より効果的な販促施策を行うため、会員属性ごとにパーソナライズしたメッセージ配信を行うことができる「WEBCAS taLk」を導入した。ルミネは「WEBCAS e-mail」の利用ユーザーでもあり、2つのサービスを並行利用することで、全体の販促効果を高めていくことを狙いとしている。LINE公式アカウントは現在230アカウント程度だが、このうち75%の企業がルミネと同様に同社のサービスを利用していることから、今後の契約件数増加が期待される。

また、重点施策の2つ目として新規有効リードの獲得に取り組んできた。同社ではWeb経由の問い合わせのうち、商談上有効なリードと思われるものを「有効リード」として定義付け、その件数増加に取り組んだ。具体的には、Webコンテンツでのサービスの紹介コンテンツをより充実させたほか、SEO (検索エンジン最適化)対策などにも注力した。これら取り組みにより、2016年3月期の有効リード件数は前期比で22.9%増し、クラウドサービスの売上増に寄与したと見ることができる。

その他、海外展開として2016年1月にマレーシアのマーケティングコンサルティング会社であるMarvelous Internationalを子会社化した(出資比率99.8%、出資額14百万円)。現地で「WEBCAS」シリーズの販売活動を強化していくほか、飲食業向けマーケティング支援サービスも展開していく予定となっている。Marvelous Internationalは2013年に設立した新しい会社で売上高も2015年9月期で1百万円程度と小さく、当面は業績に与える影響は軽微と思われる。

○サービスソリューション事業
サービスソリューション事業の売上高は前期比4.3%増の182百万円、セグメント利益は同50.9%減の6百万円となった。2013年10月に子会社化したFUCAと協力し、アプリケーション事業との相乗効果の高いコンサルティング案件の受注獲得を強化したことで、コンサルティングサービスの売上高が前期比24.4%増の113百万円と好調に推移した。一方、「WEBCAS」シリーズの新製品開発にエンジニアリソースを振り向けたことにより、受託開発案件やそれに付随するデザインの売上高は減収となった。なお、利益面での減益要因は、主に特定案件の採算が低かったことによるもので、一時的なものと考えられる。

子会社のFUCAは2013年10月に子会社化して以降、順調に伸びている。大手企業のWebサイトやメールマガジンの戦略立案、企画・制作、分析サービスなどを行っているが、特にWebサイトの集客力を高めるためのノウハウや、Webデザイン力において強みを持っており、同社との連携により大型案件の継続受注にも成功している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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