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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

キヤノンMJ <日足> 「株探」多機能チャートより

■キヤノンMJ <8060>  1,777円 (-208円、-10.5%)

 東証1部の下落率7位。キヤノンマーケティングジャパン <8060> が急落。同社は25日引け後、16年12月期第2四半期累計決算を発表。売上高は前年同期比2.5%減の3062億3600万円に、営業利益は同21%増の103億1500万円になった。会社側では、個人消費低迷の影響により売上高は低下したとしながらも、収益性の高いサービス、ソリューションの順調な推移に加え、業務の効率化による生産性向上、販売費および一般管理費の削減などにより営業増益になったと発表。通期会社計画に対する営業利益進捗率は38.2%となっている。

■JSR <4185>  1,398円 (-136円、-8.9%)

 東証1部の下落率9位。JSR <4185> がマドを開けて急反落。25日引け後、17年3月期第1四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比7.0%減の887億8600万円、営業利益は同23.9%減の56億3700万円となり、嫌気された。石油化学系事業では、エラストマー事業はSSBRが順調に販売数量を伸ばしたものの、国内タイヤ需要の低迷が継続し、販売数量全体では前年同期比微増となった。また、大幅な円高が売買スプレッドの改善を相殺し、営業利益も前年同期比小幅な増加に留まった。合成樹脂事業も円高の影響などにより採算が悪化し、営業利益が前年同期比で大幅に下落した。多角化事業は、半導体材料事業およびディスプレー材料事業ともに販売数量を伸ばしたものの、円高の影響や、ディスプレー材料事業での競争激化・顧客の需要減少もあり、前年同期比で減収となった。会社側は同時に、発行済み株式総数の1.39%にあたる312万5000株、50億円を上限に自社株買いを実施するとも発表した。取得期間は7月26日から9月23日まで。

■ジャフコ <8595>  2,616円 (-239円、-8.4%)

 ジャフコ <8595> が大幅3日続落。引き続き22日に発表した第1四半期(4-6月)連結決算で営業利益が前年同期比82.6%減の23億8100万円となったことを嫌気した売りが出たことに加えて、いちよし経済研究所が25日付で投資判断「B」はそのままに、フェアバリューを3600円から3000円に引き下げたことが悪材料視された。同研究所では、第1四半期末の含み益が53億円(前期末は60億円)へ減少していることや7月以降の投資先IPOの状況(現時点では海外1社のみ)などから、第2四半期(7-9月)も低調な業績推移となる可能性があると指摘。同研究所の17年3月期の営業利益予想を190億円から160億円へ、18年3月期を同195億円から170億円へ下方修正している。

■竹内製作所 <6432>  1,387円 (-92円、-6.2%)

 竹内製作所 <6432> が急落。26日前場取引時間中に外国為替市場で円高が進行、1ドル=104円台後半の推移、対ユーロでも1ユーロ=115円近辺といずれも前日と比較して1円以上の円高水準となっており、輸出主力株には逆風が強い。そのなかでも同社は欧米を中心に海外売上高が全体の97%を占める小型建機メーカーであり、為替感応度が高い。17年3月期の通期想定為替レートは1ドル=107円、1ユーロ=123円であり、足もとは輸出採算悪化に対する懸念が重荷となっている。

■ニチイ学館 <9792>  707円 (-43円、-5.7%)

 ニチイ学館 <9792> が大幅3日続落。25日の取引終了後に発表した6月介護サービス利用状況で、ケアプラン利用者数は前年同月比2.4%減の4万6455人と21ヵ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。また、訪問介護サービス、通所介護サービスなどのサービス利用者数は同2.4%減の13万5957人と同じく21ヵ月連続で前年実績を下回っており、利用者の減少傾向に歯止めがかかっていないことがネガティブ視されている。

■コーテクHD <3635>  1,873円 (-102円、-5.2%)

 25日、コーエーテクモホールディングス <3635> が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比58.6%減の12.3億円に大きく落ち込んで着地したことが売り材料。「妖怪三国志」などコラボレーション作品を中心にゲーム販売は好調だったものの、円高などで有価証券評価損が9.1億円増加したほか、有価証券売却益が6億円減少したことが利益を圧迫した。上期計画の50億円に対する進捗率は24.6%にとどまり、計画達成を懸念する売りが向かった。

■東海カーボン <5301>  263円 (-14円、-5.1%)

 東海カーボン <5301> が大幅5日続落。25日の取引終了後、16年12月期の連結業績見通しについて、売上高を960億円から870億円(前期比18.6%減)へ、営業利益を14億円から2億円(同95.1%減)へ、最終損益を14億円の黒字から57億円の赤字(前期24億8400万円の黒字)へ下方修正したことが嫌気された。原材料価格の低下に伴いカーボンブラックの販売価格が低下していることに加えて、黒鉛電極事業の構造不況継続によるさらなる売価下落を踏まえたことが要因。また、上期に一部取引先に対する債権回収懸念に伴い貸倒引当金など8億300万円を費用計上したことや、特定の研究開発目的により取得した資産5億6300万円を一括費用計上したこと、為替差損が7億2400万円となったことなども最終損益の悪化につながるとしている。

■新日鉄住金 <5401>  2,028円 (-92.5円、-4.4%)

 新日鉄住金 <5401> 、ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> 、日新製鋼 <5413> 、東京製鉄 <5423> 、共英製鋼 <5440> など鉄鋼株が軒並み安。鉄鋼セクターは6月の粗鋼生産量が3ヵ月連続で前年同期比プラスを記録するなど生産底入れの動きを背景にここ戻り足をみせていたが、26日は反動安に見舞われ全般相場の下落を助長している。足もとの急速な円高進行が輸出採算を悪化させる思惑として嫌気されているほか、中国が日本製の方向性電磁鋼板にダンピング関税の適用を決めたことに伴い、保護主義強化の流れを背景とした収益デメリットも懸念されている。

■野村ホールディングス <8604>  414.3円 (-14.1円、-3.3%)

 野村ホールディングス <8604> 、大和証券グループ本社 <8601> などをはじめ証券株が軒並み安。日経平均株価は参院選後の急速な戻りの反動もあって、目先は再び下値模索の展開。急騰していたポケモン関連株などの失速で個人投資家資金の離散の動きも懸念され、手数料収入など収益環境が悪化するとの思惑から目先売りのターゲットとなっている。

※26日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。


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