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【特集】オープンドア Research Memo(3):「トラベルコちゃん」の運営が主力事業

オープンドア <日足> 「株探」多機能チャートより

■事業内容

同社グループは、オープンドア<3926>と連結子会社ホテルスキップ(同社出資比率100%、以下ホテルスキップ)の2社で構成され、旅行関連事業を主たる事業として展開する。同社は旅行比較サイト「トラベルコちゃん」のほか、海外向け多言語旅行比較サイト「Travelko」(旧「HotelSaurus」)、伝統工芸品紹介サイト「GALLERY JAPAN」の運営を行っているのに対して、ホテルスキップは海外及び国内ホテルの予約、手配、販売等を行う。

1)旅行比較サイト「トラベルコちゃん」
「トラベルコちゃん」は、国内大手旅行会社、国内外のOTA※1、国内外ホテル及び国内外航空会社を含む約300社(2016年3月末現在)が販売する海外及び国内のパッケージツアー、ホテル、格安航空券、ダイナミックパッケージツアー※2などの幅広いほぼ全ての旅行商品をオンラインで一括して検索・比較することができる旅行メタサーチサイト※3。

※1 OTAとはOnline Travel Agentの略で、インターネット上だけで取引を行う旅行会社。
※2ホテルや航空券などをインターネット上で自由に組み合わせることができ、通常のパックツアーにない旅程を組むことができ、インターネット上で予約が完結できるツアー形態のことを指す。具体的には、(株)ジェイティビー(以下、JTB)グループが運営する「るるぶトラベル」の宿泊プランを利用する「るるぶトラベルツアー」、(株)ジャルパックの宿泊プランを利用する「JALダイナミックパッケージ」、ANAセールス(株)の宿泊プランを利用する「旅作(ANAセールス)」などがある。
※3メタサーチとは、複数の検索エンジンに対して一括して検索処理を行うための横断検索システム。

ユーザーは、インターネット(PC、スマートフォン等)を通じて「トラベルコちゃん」を利用することにより、いつでも無料で旅行会社等の提供する旅行商品を検索・比較し、希望の条件の旅行商品を見つけて予約や照会を行うことができる。また、「トラベルコちゃん」の横断検索機能は、パッケージツアー、ホテル、格安航空券等の各旅行商品のジャンル毎の横断検索ができることが特徴。併せて、海外在住のガイド等の現地のプロによる現地クチコミ情報や旅の情報ブログを掲載し、旅行に関してユーザーが求める情報を全て網羅できるように構築されている。

そのビジネスモデルは、従量課金収入、固定収入、広告収入の3つの収入で構成されるが、同社は固定収入から成功報酬型の従量課金への転換を進めており、2016年3月期は約60%が従量課金収入が占めている。

・従量課金収入
「トラベルコちゃん」への旅行商品掲載に係る契約を同社と締結した旅行会社は、自社の旅行商品を「トラベルコちゃん」に掲載。ユーザーは、「トラベルコちゃん」を通じて当該旅行商品情報を入手し、当該旅行会社より旅行商品を購入する。「従量課金収入」は、その際生じた予約実績、メール送信実績、クリック実績等に基づき、同社が当該旅行会社より手数料を収受するという、所謂成果報酬型の契約。

・固定収入
「固定収入」は、「トラベルコちゃん」への旅行商品掲載に関して、「従量課金収入」のような成果報酬型の契約ではなく、同社のシステム利用に伴う固定金額を旅行会社から収受するもの。具体的には、旅行商品の登録可能コース数に応じた月額システム利用料を挙げることができる。

・広告収入
「広告収入」は、「トラベルコちゃん」上の広告スペースを提供することによって、広告を掲載する得意先企業(原則として旅行関連企業)からの掲載料。広告スペースは、PC向けとスマートフォン向けで分けられており、それぞれ異なる広告スペースを提供する。また、PC・スマートフォン向け広告スペース内でも、掲載スペースの表示場所・表示ページによって掲載料金は異なる。なお、「トラベルコちゃん」上でメールマガジン会員登録をされているユーザーを対象にした同社が発行するメールマガジンへも広告の掲載を募集している。

当初、「トラベルコちゃん」は海外旅行が主力であったが、国内旅行も価格競争力の向上により拡大。足元は海外、国内ともに伸長する格好となっており、海外、国内のバランスがとれた売上構成となっている。この結果、海外、或いは国内といった人気の変化や、テロ等の突発的事象による市場のトレンド変化にも柔軟に対応できる構造となっている。

足元の月間平均のUU数は2015年3月期の220万人から2016年3月期には約308万人へ順調に拡大している。主要なユーザー層は価格と内容に厳しいF1層(20~34才の女性)が中心となっており、口コミにより拡大するトレンドが続いている。

2)インバウンド・海外向け多言語旅行比較サイト「Travelko」
50以上の予約サイトが販売する旅行商品を多言語で掲載し、一括で検索できる旅行比較サイトで「トラベルコちゃん」の海外版。2016年6月に、より認知度の高いトラベルコちゃんと統一することによるブランド力の強化を狙い、「HotelSaurus」の名称、サイトドメインを変更した。

日本をはじめ、世界中の航空券、ホテルの宿泊プランなどを英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語で検索・比較することができる。各言語を話す旅行者に人気の高い日本の都市を選んで、通訳案内士などがすすめるスポットの口コミ情報を掲載し、増加しつつあるインバウンド旅行者への満足度の高い旅行を提供する。

3)伝統工芸品紹介サイト「GALLERY JAPAN」
日本の“伝統工芸作品”の紹介サイト。日本が誇る伝統美のひとつを、日本だけでなく世界に向けて発信するため、日本語と英語で展開している。 「公益社団法人日本工芸会」の協力により、人間国宝(重要無形文化財保持者)をはじめとする工芸作家が丹精込めて作り上げた優れた作品を、陶芸・染織・漆芸・金工・木竹工・人形・ガラス・七宝などのカテゴリーごとに紹介。加えて、各作家の作風や経歴、カテゴリーごとの主要な技法といった情報も掲載する。

4)海外ホテル予約サイト「ホテルスキップ」、「hoterea.com」
連結子会社ホテルスキップは、海外ホテルに特化した個人顧客向け宿泊予約サイト「ホテルスキップ」と「hoterea.com」(ホテリアドットコム)の運営や、法人顧客への旅行商品の販売等を行う。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

《HN》

 提供:フィスコ

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