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2016年07月21日16時59分

【特集】品川リフラ Research Memo(8):2017年3月期は、重要課題に取り組み増収増益を予想

品川リフラ <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

(2) 2017年3月期予想

品川リフラクトリーズ<5351>の2017年3月期は、売上高が102,800百万円、前期比5.0%増、営業利益が5,200百万円、同3.6%増、経常利益が5,300百万円、同7.0%増、当期純利益が3,200百万円、同14.4%増を予想している。約5,000百万円の増収は、耐火物とエンジアリングから半々の割合でもたらされる。2017年3月期の日本の粗鋼生産は、ほぼ前期並みの1億500万トンを前提としている。内需は、年度後半から東京オリンピック関連工事が本格化することから増加する見込みだ。築炉エンジアリングは、仕事量の大半が既に受注残でカバーされている。当期純利益の伸び率が大きいのは、2016年3月期発生した減損損失を見込んでいないためである。

○2017年3月期の重要課題
2017年3月期の重要課題として、コスト競争力の徹底強化のための設備投資による基盤整備、購買体制の刷新、高付加価値製品の開発、環境改善や特殊鋼用炉材などの成長分野の開発、材料・工事一体の総合力による拡販、鉄鋼メーカー大型工事案件の捕捉を挙げている。

コストダウンと基盤整備のために、最新鋭製造設備の導入をする。

購買体制の刷新のために、2016年4月に「調達センター」を設立した。従来、原料資材の調達担当部門と商品の調達部門が分かれていたが、いずれも調達センターの管理下に置き、原材料から商品の仕入れまでの調達業務を一元化し、効率的かつ効果的な調達を実現する。

顧客満足度の向上のため、各種作業用耐火物の性能向上による高耐用化、連続鋳造用耐火物の設計技術向上とモールドパウダーの機能向上による鋼品質を改善する。また、耐火物リサイクルの拡大や耐火物による熱ロス低減技術の向上による、省資源・省エネなど顧客ニーズへの対応を図る。

技術力の強化としては、将来の成長が予測される、前述した生体溶解性高温用断熱材や特殊鋼用炉材の開発に注力する。単体の売上高は8割以上を鉄鋼業に依存していることから、鉄鋼以外(特殊鋼用途の製品等)への拡販を図る。自動車や航空機に使われる特殊鋼向けに、二次溶解炉用耐火物、特殊鋼の品質に大きく影響するモールドパウダーや保温材などの開発を目指す。また、炉の設計・施工・炉材を持つ材料・工事一体の総合力が同社の強みであり、銅やアルミ精錬などの非鉄分野や石灰焼成などの工業炉分野で新規顧客を開拓する。鉄鋼メーカーの大型工事案件の捕捉は、今期工事の8?9割は既に受注済みであり来期以降の案件の足掛かりとすべく万全を期す。

海外子会社を拠点とし、東南アジア、米州、中国、インドにターゲットを置いた成長戦略を遂行する。東南アジアにおいては、台湾プラスチックグループが進めるベトナムで初となる大規模一貫製鉄所プロジェクトにJFEスチールが参画していることから、炉材の販売を狙う。2016年度中に1号高炉の操業開始を目指しており、2号高炉の稼働は2017年下期中の予定になる。3号炉の新設は、市場動向によって判断される。

2014年10月にPT Shinagawa Refractories Indonesia(SRI)を設立した。従来、オーストラリアのShinagawa Refractories Australasia Pty. Ltd.(SRA)からインドネシアに製品輸出をしていたが、SRAからSRIに量産技術を移転して、インドネシアで生産を開始した。東南アジアでは、人口の増加、経済発展に伴い社会インフラ投資が活発化していることから、セメント製造用工業炉に使われる耐火物を提供する。

米州は、2015年10月に販売機能をShinagawa Advanced Materials Americas, Inc.(SAM)に集中して、より地域に密着した営業体制とした。SAMのモールドパウダーと同社グループの定形耐火物をトータルに販売する。米国の粗鋼生産量は、中国、日本、インドに次ぐ4位と大きい。SAMは、中南米もカバーする。ブラジルの粗鋼生産量はドイツに次ぐ、世界8位となっている。

中国の鉄鋼メーカーは過剰生産能力を抱えているが、大手鉄鋼メーカーによる高級・高付加価値品の増産が見込まれる。中国子会社は、2016年5月にモールドパウダーの新ラインを稼働させており、高級鋼材製造用に積極的に拡販する。世界3位のインド市場は、一時的な停滞があっても、中長期的な拡大が確実視されている。鋼材の高級化を見据えた機能材の拡販をする。

第3次中期経営計画の目標を、2018年3月期の売上高110,000百万円、経常利益6,600百万円、売上高経常利益率(ROS)を6%としている。内需は東京オリンピック関連に期待、目標達成のために、海外における事業拡大に注力する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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