市場ニュース

戻る
 

【特集】品川リフラ Research Memo(1):業績底堅く、バリューストックに

品川リフラ <日足> 「株探」多機能チャートより

品川リフラクトリーズ<5351>は、創業140年余りの日本を代表する耐火物メーカーで、世界でも五指に入る。鉄鋼を始め、非鉄金属、電力、ガス、セメント、ガラス、窯業など日本の基幹産業に、各種の耐火物や窯炉、耐火物の施工装置を提供している。

2016年3月期の同社の業績は、売上高は前期比2.3%減の97,889百万円、経常利益は同5.1%減の4,951百万円と小幅の減収減益となった。営業利益では、コストダウンとグループ会社の寄与もあり、2.5%増の5,019百万円となったが、為替差損の影響で、経常利益が減少した。

2017年3月期は、売上高が前期比5.0%増の102,800百万円、経常利益が同7.0%増の5,300百万円と増収増益を見込む。

2009年の合併以降、最適生産体制の構築を成し遂げ、2016年3月期から第3次中期経営計画では基盤整備を進めている。世界トップクラスの総合耐火物メーカーとしての地位の維持・向上に向けて、確実な収益確保と更なる成長を目指している。今3ヶ年計画の設備投資予定額8,000百万円は、前中期経営計画比42.9%の増加になるが、2年目の2017年3月期の累計消化率は80%を見込んでいる。大型プレス機などの最新鋭機の導入により、高付加価値品のコストダウンと競争力の強化を図る。また、成長戦略実現のために、東南アジア、米州、中国、インドをターゲットに各地域のニーズに応じた販売体制の強化を図る。

合併後の2010年3月期と比べると、2016年3月期の実質有利子負債が78.6%減少し、自己資本は37.2%増加した。自己資本比率は28.7%から42.6%へ改善し、ROE(自己資本当期純利益率)は2.5%から6.3%へ上昇した。鉄鋼関連のシクリカル・ストックとみなされがちだが、過去6期の経常利益は5,000百万円前後で推移している。現在の株価による、予想PERは6倍未満、PBRは0.4倍、配当利回りは3%超のバリュー株となっている。

■Check Point
・2016年3月期は、小幅減収減益の底堅い動き
・2017年3月期は、重要課題に取り組み増収増益を予想
・低PER、低PBR、高配当利回りのバリューストック

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均