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2016年07月21日16時35分

【特集】アキテクツSJ Research Memo(6):2016年3月期は、2ケタの減収により営業損失へ転落

アーキテクツ <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

(1) 2016年3月期の業績

a)損益の状況?減収により損失に転落
アーキテクツ・スタジオ・ジャパン<6085>の2016年3月期は、売上高が前期比11.9%減の1,279百万円、営業利益が90百万円の損失(前期は74百万円の利益)となった。手数料収入は売上高が利益とほぼ同じになるため、売上高の多寡が利益を大きく左右する。売上高が目標未達に終わったことが、収益性に影響した。部門別では、売上高と営業利益が前期比同額減少したのは、スタジオ加盟金の42百万円、スタジオロイヤリティの82百万円であった。イベントの回数が減少したことから、マーケティング売上も落ち込んだ。

業績の先行指標となるASJアカデミー会員の新規入会数が7,266名と前期比15.3%増加し、期末有効会員数を35,456名と同18.0%押し上げた。しかし、プランニングコースへの移行や建築設計及び建設工事請負契約締結がスムーズに運ばなかった。建築設計・監理業務委託契約件数は、ほぼ横ばいの398件、建築工事請負契約は同9.9%減の426件、金額は15,135百万円の同8.4%減となった。

2015年3月期は、請負契約が集中する傾向にある第4四半期の売上高が大きく伸びて、同四半期の営業利益は61百万円が計上された。当期は、第4四半期の売上高に伸びがみられない一方、「ASJ TOKYO CELL」の開設費など費用がかさんだことが、同四半期の営業損失(-58百万円)につながった。

b)貸借対照表?強固な財務体質
同社の収入は、建築設計・監理業務委託契約が締結される時の建築家フィーと、工事請負契約が締結されたときに発生するスタジオロイヤリティが主体であるため、棚卸資産がほとんどない。顧客への情報発信はWebで行っており、梅田(大阪府)、横浜(神奈川県)、丸の内(東京)の常設展示場は賃貸物件である。スタジオは加盟建設会社が開設している。そのため固定資産は小さくて済む。

2016年3月期の総資産は1,600百万円と前期比190百万円減少した。流動資産は、現金及び預金(-267百万円)と売掛金(-107百万円)の減少により412百万円減った。固定資産は、「ASJ TOKYO CELL」の開設に関連する建設仮勘定(+174百万円)、差入保証金(+51百万円)により222百万円増加した。負債の部では、流動負債が90百万円減少した。1年内返済予定の長期借入金(-16百万円)の返済により、有利子負債がゼロとなった。固定負債は、前期に続いてない。この結果、純資産が前期比99百万円減少したものの、自己資本比率は前期比3.0ポイント増の81.4%へ上昇した。

c)キャッシュ・フローの状況
2016年3月期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期比267百万円減の673百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フロー(CF)は、滞留債権の回収促進により、前期のマイナス57百万円からゼロになった。投資活動CFは、「ASJ TOKYO CELL」の開設に伴う支出や基幹ソフトの開発費により272百万円のマイナスとなった。財務活動CFは、借入金の返済を進めたが、新株予約権の行使による株式発行による収入のため、4百万円のプラスとなった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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