【材料】ソフトバンクグループがウリ気配スタート、英アームの巨額買収に警戒モード
ソフトバンク <日足> 「株探」多機能チャートより
ソフトバンクは最近になって相次ぐ資産売却により2兆円近い資金を調達、有利子負債の削減など財務体質の改善に充てられると思いきや、孫正義社長はその使い道について「クレージーな投資や事業を興すこともある」と発言したことが伝わるなど、市場関係者の間でも話題となっていた。次期社長が有力視されていた、財務体質の改善を視野に置くニケシュ・アローラ副社長の衝撃的な退任と合わせ、孫社長の次の一手に注目が集まっていた。
今回のアーム買収にかかる3兆3000億円はすべて現金でまかなう方針。同社は前3月期末時点の現預金2兆5000億円と資産売却で得た2兆円の計4兆5000億円のキャッシュを保有しているが、買収資金の一部調達のため、みずほ銀行と借入上限1兆円のブリッジローン(つなぎ融資)契約を結んでおり、負債規模はさらに拡大することになる。孫社長が次のパラダイムシフトに位置付けるIoT分野に照準を合わせた経営戦略にも、買収金額の大きさとの対比で懐疑的なマーケットの見方が反映される格好となった。
出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)