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【市況】新興市場見通し:マザーズ先物上場も本格反転にはなお時間、デュアルタップなどIPO

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、日経平均が週間で約19年ぶりの大幅上昇となるなか、マザーズ指数が逆行安となった。週初は米雇用統計や参議院議員選挙の結果を好感して反発したが、スマートフォンゲーム「Pokemon GO」で話題となった任天堂<7974>や、7月15日に新規上場したLINE<3938>に市場の関心が向かい、週末にかけてマザーズ銘柄からの資金流出が広がった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+9.2%であったのに対して、マザーズ指数は-1.6%、日経ジャスダック平均は+1.5%だった。

個別では、マザーズ主力のそーせいグループ<4565>が週間で1.5%安となった。一部証券会社の新規高評価が観測されたが買いは続かなかった。任天堂が値を飛ばす一方でその他ゲーム株がきつい下げとなり、ミクシィ<2121>は同14.3%安だった。AWS HD<3937>、セラク<6199>、バーチャレクス・コンサルティング<6193>といった直近IPO銘柄は物色一巡で大きく下げた。LINE上場で材料出尽くし感が広がったアドウェイズ<2489>などの関連銘柄も軒並み急落した。その他、業績予想を下方修正したファーマフーズ<2929>などが利益確定売りに押された。反面、サイバーダイン<7779>が同1.2%高、モブキャスト<3664>が同5.1%高とプラスを確保した。直近IPO銘柄でも農業総合研究所<3541>は同17.0%高となった。また、「Pokemon GO」関連物色でAppBank<6177>やモバイルファクトリー<3912>が急伸した。ジャスダックでは、セプテーニ・HD<4293>が同15.1%安、セリア<2782>が同7.4%安と軟調だった。ネクストウェア<4814>やドーン<2303>もきつい下げとなった。反面、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同6.1%高、日本マクドナルドHD<2702>が同5.3%高と堅調で、業績予想を上方修正した日本色材工業研究所<4920>などが大きく買われた。注目されたLINEは公開価格を約49%上回る初値を付けたが、その後失速する形となった。

今週の新興市場は、7月19日に予定されるマザーズ指数先物の取引開始への思惑から反発を見せる場面もあるだろう。ただ、任天堂の活況が続くうえ、4-6月期決算発表シーズンが控えていることもあり、本格的なリバウンドに転じるには時間を要しそうだ。現物市場の流動性が低いだけに、マザーズ指数先物は大きなかく乱要因となる可能性もある。

今週は7月21日にBEENOS<3328>、22日にモバイルファクトリーなどが決算発表を予定している。位置情報ゲームを手掛けるモバイルファクトリーは「Pokemon GO」からの連想買いが向かっているが、業績面でも「ステーションメモリーズ!」の好調で直近まで好決算が続いている。また、「Pokemon GO」関連物色が活発となるなか、サン電子<6736>やショーケース・ティービー<3909>といったAR(拡張現実)関連、位置情報を活用したO2Oツールを手掛けるアイリッジ<3917>などの動向も注視したい。

IPO関連では、7月21日にデュアルタップ<3469>がジャスダックへ、インソース<6200>がマザーズへそれぞれ新規上場する。デュアルタップは公開規模5.6億円の小型案件で、IPO人気の高まりづらい不動産関連ながら日本銀行の追加金融緩和への思惑などから投資家の関心が向かっているようだ。ただ、足元の中小型株の軟調はやや気になるところ。また、LINEのセカンダリーでの株価推移がIPO人気に影響を与える可能性もあるので注視したい。

《FA》

 提供:フィスコ

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