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【経済】NYの視点:バーナンキ前FRB議長訪日受け追加緩和の思惑&財政刺激策期待、円高一服


米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ前議長は日本を訪問中、11日に日本銀行の黒田総裁と面談したことに続き、12日には安倍首相と非公式な会談を予定しているという。11日の黒田総裁との会談では、英国の欧州連合(EU)離脱、世界経済などについて話し合われた模様。また、日銀が歴史上初めてとなるマイナス金利導入後、中央銀行の意図に反し円相場は上昇、景気にも立ち直りが見えない中、金融政策に関しても意見交換がなされたと見られている。バーナンキ前FRB議長と、首相や日銀総裁との非公式会談を受けて、市場では、日本の当局が金融や財政を用いて大規模な景気刺激策を検討しているとの思惑も浮上している。リスク回避の円買いもいったん後退。

安倍首相は11日、参院選の結果を受けた党本部での記者会見で、石原経済再生担当相に対して12日に経済対策の取りまとめを指示するとしたうえで、ゼロ金利環境を生かした財政投融資の積極活用も併せて表明。内需拡大に向けた対策の取りまとめを急ぐ方針を示したと報じられた。報道によると、首相は英国のEU離脱を受けた経済への悪影響を回避すべく「万全の対策を講じる」方針で、「世界経済の成長と市場の安定には国際協調を強めていく必要がある」と表明。

安倍首相が12日に指示する「総合的で大胆な経済対策」は当初予想の10兆円を上回る規模となると言われている。4年ぶりの国債の追加発行も検討されているようだ。政府は同時に、今年1月に実質で1.7%と見込んでいた2016年度の経済成長率の見通しを、0.9%に下方修正する方針だという。各国の景気刺激策が果たして市場の警戒感を完全に払しょくできるかどうかに焦点が集まる。

《NO》

 提供:フィスコ

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