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2016年07月11日17時32分

【特集】イデアインター Research Memo(4):新規出店の「ミレスト」ショップが小売事業の営業増益をけん引

イデアインタ <日足> 「株探」多機能チャートより

■事業部門別・主要商品別動向

(2)主要商品・事業別動向

a)ホットプレート
イデアインターナショナル<3140>のキッチン雑貨の中で主力商品となっているのがホットプレートだ。キッチン雑貨は同社の直営小売店舗とEC、及び卸売の3ルートで販売されているが、卸売事業での貢献度が年々高まっており、卸売事業の増収分のすべてはキッチン雑貨、中でもホットプレートの増収からもたらされている状況だ。

2016年6月期第3四半期の卸売事業の売上高は2,813百万円だったが、そのうち1,000百万円強をキッチン雑貨が占めている。この大部分がホットプレートとみられる。ホットプレートを始め、同社のインテリア雑貨及びキッチン雑貨は「BRUNO(ブルーノ)」ブランドで統一されているが、ホットプレートがブランドリーダーとなり、BRUNO製品が全般的に活性化する好循環が続いているもようだ。

同社のホットプレートの累計販売台数は2016年3月時点で30万台弱に達した。第3四半期(2016年1月?3月)は冬場で需要期ということもあり、月次販売台数が加速した状況が見て取れる。同社のホットプレートがヒットした原因として、これまではカラフルな色使いが挙げられることが多かった。依然として色使いは同製品の重要なポイントになっており、白やグリーン系のといったキッチン家電としては“常識破り”の色もラインナップし、かつ、それらが特定の年齢ゾーンではヒットカラーとなっている。

もう1つの理由として注目されるのが、ホットプレートが“コミュニケーション・ツール”という捉えられ方をしている点だ。仲間が集まって“ワイワイガヤガヤ”を演出する際の重要な小道具という認識がSNSなどで拡散し、売行きに拍車をかけている。同社はこうした状況に対応して、多人数用の“グランデサイズ”をリリースしている。今後も、機能向上や限定カラーの投入などの施策を通じて、一段の拡販を狙う方針だ。

足元のホットプレートの需給バランスは、従前からの需要超過状態が継続している状況にある。同社の本店サイトにおいても、色によっては欠品が続いている状況だ。同社はホットプレートの製造委託先において、生産枠の拡大に成功しており、今後は機会ロスを減少させられると見込んでいる。

b)トラベル用品
同社はトラベル用品について「ミレスト」ブランドで展開している。トラベル用品はEC販売や卸売もされているが、小売店舗「Travel Shop MILESTO」(新業態ブランドも含む)での販売が中心となっている。同社の小売店舗は、その取扱商品によって「Idea Seventh Sense」(インテリア雑貨)、「Terracuore」(オーガニックコスメ)などがあるが、小売事業における「Travel Shop MILESTO」の比重は急速に高まってきている。

2016年3月期第3四半期の小売店頭売上高は前年同期比減収となったが、そのなかで「Travel Shop MILESTO」の売上高は前期比増収となり、構成比は約30%にまで高まってきている。

同社は、トラベル用品の小売店舗を、2015年6月末の5店舗から2018年6月末までに55店舗に拡大する計画を発表している。トラベル用品小売事業の成長戦略は同時に、同社全体の成長戦略でもある。2016年6月期は第3四半期末までに、小型の新業態「Travel Style by MILESTO」5店舗とメイン業態の「Travel Shop MILESTO」2店舗の計7店舗をオープンし、総店舗数は12店に達した。

新業態の「Travel Style by MILESTO」は、出店の初期費用とオペレーションの両面でローコスト化を追求しているほか、取扱商品の価格帯やラインアップも「Travel Shop MILESTO」とは変えてある。今第2四半期までに出店した「Travel Style by MILESTO」の3店舗は開店から2ヶ月目には単月黒字化し、投資回収も基本モデルの3年回収から大幅に短期化し、1年半程に短縮される見通しとなっている。

同社は2017年6月期以降も年20店舗前後の出店を行い、計画どおり2018年6月末時点での55店舗体制を目指す方針だ。出店先は地方のショッピングモール(RSC=リージョナルショッピングセンター)が中心になる見込みで、業態的にはローコスト型の「Travel Style by MILESTO」が主体となるとみられる。2017年6月期以降の出店では、RIZAPグループのグループ企業であるタツミプラニングとのコラボレーションによる一段の低コスト化も注目ポイントだ(タツミプラニングの詳細は後述)。

c)オーガニック化粧品
同社は「Terracuore」ブランドでオーガニック化粧品を製造販売している。これはイタリアで原体を製造し、同国の有機認証SoCertを取得している点に強みがある。スキンケア、ヘアケア、ハンドケア、ボディケアなど各種製品をラインナップしている。

Terracuore製品の平均的ユーザーは20代後半から30代の女性で、いろいろなブランドの化粧品を経験した後にTerracuoreに落ち着いたというユーザーが多いようだ。したがってロイヤルユーザー(リピート客)の割合が高いと考えられる。しかし一方で、女性はより良いものを求めて新たな化粧品の探索に貪欲な面もあるため、継続的なマーケティングと、囲い込みのための施策は不可欠だ。

他方、Terracuoreの知名度はまだ決して高いとは言えない状況だ。同社は、新規顧客開拓に向けて積極的に広告宣伝を打つ方針へと転換し、2015年6月期第4四半期(2015年4-6月期)以降、2016年6月期にかけて広告宣伝費を大幅に増加させた。これまでのところは広告に対して一定の効果を獲得できているもようであるが、広告の効率性をさらにアップするためには、一段の工夫が必要になるとみられる。

Terracuoreの販路は直営店舗「Terracuore」の店頭小売とECによる小売が中心だ。売上高の絶対金額では店頭小売のほうが規模は大きい。しかし、販路に占める構成比という点では、EC売上高における重要性が高くなっている。2016年6月期第3四半期の自社EC売上高の約3分の2がTerracuore商品だ。対して、同期間における小売店舗売上高に占めるTerracuore商品の割合は20%弱であった。

すなわち、Terracuoreは、同社のEC事業のけん引役であるということだ。EC事業の拡大は、トラベルショップの出店拡大と並んで、同社の中長期成長戦略の中核を成している。同社は2016年6月期第3四半期までに、オーガニック化粧品を中心にインテリア雑貨店舗など6店舗を閉鎖した。したがって、今後はTerracuore事業のEC依存度が高まり、同時にそれがEC売上高をけん引することにもつながると期待される。

同社はEC売上高の拡大策の1つとして、Terracuoreの売上構成比が高いという現状を踏まえ、定期購買客の拡大策を強化する方針だ。具体的には、親会社の健康コーポレーションが有するCRM(クライアン・トリレーションシップ・マネジメント、顧客管理)のノウハウやシステム、及びコールセンターを活用して、アウトバウンドコールを行い、“買い忘れ”の防止や購入商品の横展開などを図る方針だ。

EC事業について、もう1つの注目すべき取り組みは、越境ECへの対応だ。海外の顧客からの直接購入申し込みが増えているため、今後同社は、海外のECモールへの出店を行う方針だ。デリバリーにはEMS(Express Mail Service、国際スピード郵便)などを活用し、初期投資を抑えながら、海外需要の取り込みを拡大する方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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