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【特集】正興電機製作所 福重康行社長インタビュー <福証単場会銘柄に注目!>

福重康行氏(正興電機製作所 代表取締役社長)

―情報と制御の独創技術で、確かな持続的成長を!―

 国内株式市場が上昇波動に乗り切れない中、地方証券取引所の上場銘柄には、全国的な知名度こそ高くないもののキラリと光る注目したい優良な企業が存在する。今回、福岡証券取引所に単独上場している福岡単独上場会社の会(通称:単場会)http://fse.irnavi.minkabu.jp/の企業トップが、自らの言葉でユニークなビジネスモデルや成長ストーリーを語ってくれた。いまだ、熊本震災の記憶は生々しいが、福証単場会の銘柄はアツイ。

●福重康行氏(正興電機製作所 代表取締役社長)

 正興電機製作所 (6653) [福証]は、電力会社、官公庁向けを主とした受変電設備、制御装置および情報システムの製造・販売において、電力、環境エネルギー、情報、電子制御機器、サービスの5つの事業部門を展開している。同社の福重社長に、現在推進している中期経営計画とその戦略を聞いた。

●1)貴社の事業について伺います。
 どのような事業を展開されているのでしょうか?具体的にご説明ください。
 また、直近の業績動向に対してはどのように評価されていますか?

 電力会社、官公庁向けを主とした受変電設備、制御装置および情報システムの製造・販売を行っており、電力、環境エネルギー、情報、電子制御機器・オプトロニクス、サービスの5つの事業部門からなる電気、水の運用、情報システムで社会の根幹をなすインフラの下支えをする事業を展開しています。

 部門別の事業内容は、

(1) 電力部門では、
 電力の安定供給をサポートする監視制御システムやデジタル化制御システム、配電機器、IoT技術応用システム

(2) 環境エネルギー部門では、
 通信システムにオープンシステムを採用した浄水場・下水処理監視制御システム、太陽光発電、燃料電池と組み合わせて電力使用のピークを抑制したり、災害時の非常用電源として活用する蓄電システム

(3) 情報部門では、
 データセンターを核として低コスト・短納期で高品質なクラウドサービス

(4) 電子制御機器部門・オプトロニクスでは、
 エレクトロニクスを駆使して、システムの高速化、小型化を実現する「カムスイッチ」、「端子台」、「直流地絡リレー」、「漏電リレー」、オプトロニクス製品の「機能性液晶フィルム」、「固体色素レーザーバルク」

(5) サービス部門では、
 電気機械器具・情報機器などの販売、産業用機器のエンジニアリングサービス、保守メンテナンスサービスを展開しています。

 また、海外では、5つの地域で展開しています。

 中国・大連では配電盤、電気・電子機械器具の製造および販売、北京では電気・機械・電子関連製品のエンジニアリングおよび販売を行っています。

 フィリピンのソフトウェア製品の開発、製造および販売、
 マレーシアの制御機器、成形部品の製造および販売、
 シンガポールのアセアン地域の市場展開、

などグローバルに展開しています。

 2015年度の業績は、電力部門の再生可能エネルギー普及への対応に向けた監視制御システムや配電機器製品などが順調で、また、環境エネルギー部門の太陽光発電所向け受配電盤および監視制御システムや蓄電技術を活用した省エネシステム、そして、情報部門の港湾向けITシステムやクラウドサービスが堅調に推移し、受注高は前期比14.5%増、売上高は前期比13.1%増、営業利益は前期比29.7%増となりました。

●2)ビジネスにおける特徴をお話しください。
 貴社の事業におけるこだわりや特徴は何でしょうか?

 「最良の製品・サービスを以て社会に貢献す」を社是として、コア事業である電力、環境エネルギ-分野の更なる事業拡大を推し進めるとともに、情報と制御の独創技術で新製品・新事業の創出に取り組み、環境にやさしく安全で快適な社会のインフラ基盤構築に貢献しております。

 また、自然(太陽光)エネルギー、燃料電池、蓄電池(当社製品)とITを活用したエネルギー利用効率化モデル検証と生物センサー水質監視システム(当社製品)を応用した工場排水の再利用モデル検証を実施、省エネ・新エネルギー設備とエネルギー管理システムによる総合的管理・制御の実現など、エネルギーと環境を両立させた様々なソリューションのグリーンイノベーションをリードする開発拠点を目指しております。

●3)中長期における経営戦略について伺います。
 貴社の持続的な企業成長は、何によって担保されるとお考えですか?今後の見通しを踏まえてお話しください。

 2021年の創立100周年に向けた「国内をベースにアジアで成長する正興グループ」を目指した長期経営ビジョンおよび「繋ぐ化で、事業拡大と高収益体質を実現」を目指した中期経営計画に取り組んでおります。

 重点課題として、

(1) 成長の柱である、エネルギーソリューション、ICTソリューション、社会インフラ事業の拡大を図る「コア事業の基盤強化による事業の拡大と高収益化」

(2) 新たな成長に向け、サービス、海外事業など新規分野の拡大に挑戦する「新事業・新分野の拡大」

(3) 戦略的な人材マネジメントによる組織の活性化を図る「戦略的な人材育成」

(4) 社会が直面する諸問題を事業を通じて解決し、社会とともに持続的に成長する「CSR経営の推進」

に取り組んでおります。

 豊富な製品ラインナップと長年の実績によって蓄積された技術力を有し、工事保守のエンジニアリングで電力会社や官公庁の電気設備において、全国で多くの納入実績があり、長年にわたりお客様と共に培った情報と制御を融合した独創技術で、よりお客様のニーズに沿った新製品、新事業の拡大によって持続的な企業成長を目指しております。

 2015年度を初年度とした中期経営計画の進捗では、2015年度は売上高、営業利益ともに目標達成、2016年度見通しにおいても目標達成に向けて取り組んでおります。


●4)経営理念についてお話をお願いします。
 貴社の存在は、外部からどのように評価されているでしょうか?
 また、それは経営理念と合致しているとお考えですか?

 経営ビジョンといたしましては、

(1) 情報と制御の独創技術で、環境に優しい、安全で快適な社会の実現を目指す「事業ビジョン」

(2) CS経営に徹し、顧客に愛され信頼される企業、併せて、株主様と社員の満足度を高める「経営ビジョン」

(3) 人間尊重を基本として掲げ、自己実現の場づくりや、人材育成、人との出会いを大切にする「企業文化ビジョン」

 経営方針といたしましては、

(1) 情報×制御=∞でオンリーワンに挑戦する「コア事業の強化」

(2) 最良のソリューション・サービスを約束する「CS経営革新」

(3) 自己表現を追求する「楽しく果敢な社風」

(4) 高効率・高収益・高分配を実現する「キャッシュフロー経営」

を掲げて企業価値向上を目指しております。

 この経営理念のグループ一丸となった取り組みと弛まない技術の向上と堅実な経営に対する評価が長年にわたる安定した取引につながっていると思います。

●5)最後に、投資家に向けてお話をお願いします。
 貴社では、資本市場からどのように評価されることを期待しますか?
 また、それを実現させる自信をお持ちですか?

 配当方針として、株主様への利益還元を経営上の重要課題の一つとして認識し、継続的な安定配当を基本にしつつ、業績に応じた経営の成果を迅速に株主様に還元することを基本方針といたしております。この基本方針に基づき、2015年12月期の配当金につきましては、中間は1株当たり5円、期末は1株当たり6円、年間配当金は1株当たり11円を実施いたしました。2016年12期も年間配当1株当たり12円を予定しています。

 主な取引先が電力会社、官公庁と需要先の変動がなく、売上高および収益も堅調に推移しており安定した配当を実施しています。さらに、電力の小売自由化などエネルギー環境も変化してきている中で、電気を必要とするところには当社の技術が対応できることも併せて、より多くの皆様へご関心を頂くことを期待します。

 環境問題、エネルギー問題、老朽インフラ対策や少子高齢化、またICT技術の発展による新たな市場ニーズに対して当社は、EMSと組み合わせた「蓄電システム」、ストレスチェックなどの健康経営をバックアップする「健康管理システム」、ヒューマンエラーを防止する「IoT技術応用システム」などの技術を有しており、2021年の創立100周年に向けた長期経営ビジョンおよび中期経営計画の課題を着実に実行し、企業価値向上を図ってまいります。

●資料請求・問い合わせ先
株式会社正興電機製作所 経営統括本部 総務部 総務グループ
〒812-0008 福岡県福岡市博多区東光二丁目7番25号
TEL:092-473-8831 FAX:092-473-8833
Email:info@seiko-denki.co.jp
http://www.seiko-denki.co.jp/


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