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【特集】SDエンター Research Memo(6):非常に安定したビジネス

SDエンター <日足> 「株探」多機能チャートより

■各事業部門の現状と成長戦略

(4)施設管理事業

a)足元の業況
SDエンターテイメント<4650>の施設管理事業は映画館の運営を行うシネマ部門と、自社物件の賃貸経営を行う賃貸施設管理部門の2つからなっている。2016年3月期は、シネマ事業の売上高が912百万円(前期比13.0%増)、その他の売上高が276百万円(同4.5%増)となり、施設管理事業としては売上高1,189百万円(同11.0%増)、営業利益134百万円(同34.7%増)となった。営業利益率は11.3%となった。

シネマ部門は、2015年度の日本の映画興行収入が前年度比4.9%増の2,171億円に達したことを反映し、同社も増収となった。「ジュラシック・ワールド」「スターウォーズ/フォースの覚醒」、「妖怪ウォッチ」などのヒット作が例年より多く上映できたことに加え、一部店舗では競合店の撤退の恩恵を受けた。

その他は、新たに室蘭市の店舗の遊休スペースを他社のカラオケ店に賃貸したため増収となった。

b)成長戦略
シネマ部門では、映画館の増設は難しいため、既存施設に対する集客増が成長源となる。集客増に向けた施策として、同社はディノスシネマでしか開催されないイベントによる限定感やコア感のアピールに注力している。具体的には、ペンライトを持ち込んで登場人物に声援を送る『応援上映』イベントや、映画館内の売店について、カフェと提携してより価値の高い空間づくりを行うことで集客につなげるコンセッション・リニューアルのなどの施策を実行している。

賃貸施設管理部門は、地味ではあるが非常に安定したビジネスとなっている。現在は自社物件の賃貸管理が中心だが、今後は社外のビルの賃貸管理を請け負うファシリティマネジメントが本格的に拡大することが期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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