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【経済】ブレグジットを気にしない米国、世界一気にする日本

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

週末の雇用統計が好調だったこともあり米国株(ダウ)は「史上最高値」(年初来高値ではない)まであとわずかというところまできている。一方日本株(日経平均)は先週も世界で突出して下げて、世界の主要株式市場で下落率NO.1となった。なお、英国株式市場も国民投票前の水準を回復し年初来高値を更新した後も崩れず高値でもみ合っている。
 世界的には先週はブレグジット(英国のEU離脱)の世界経済に与える影響が再度懸念されたことになっているが、米国はブレグジットを全く気にしてないのに対して、日本は世界一気にしているという状況だ。
 円高で採算が悪化する輸出企業が多いため、日本株は為替の影響が大きいからだという説明もされている。しかし、経済が堅調な米国の通貨に対して脆弱な日本の通貨の円が「比較的安全な資産」としてリスク回避で買われたり、安全な円資産を大量に持つはずの日本企業の株はリスク回避でボロボロに売られているのは何やら奇妙だ。なお、米国株(ダウ)のPER(株価収益率)は約17倍、日本株(日経平均)のPERは約13倍まで差が開いた。
 米国株が買われる一方で、国債や金も買われている。銀は金に連れたリスク回避の買いと産業需要の増大の期待の買いも入って大きく上昇している。
 全体的に市場は非常にちぐはぐな状況だ。
 これは、「ブレグジットの影響は限定的だ」という見方と、「ブレグジットの影響は甚大だ」という見方で大きく別れているということを示しているのだろう。
 さて正しいのはどっちだろうか。
《YU》

 提供:フィスコ

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