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【特集】ネットイヤー Research Memo(3):7期ぶりの営業減益

ネットイヤー <日足> 「株探」多機能チャートより

■決算概要

(1) 2016年3月期の業績概要

5月10日付で発表されたネットイヤーグループ<3622>の2016年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.0%減の6,801百万円、営業利益が同67.0%減の146百万円、経常利益が同67.8%減の143百万円、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、当期純利益)が同1.0%増の74百万円となった。営業利益で減益となったのは7期ぶりとなるが、大型プロジェクトの一巡により、単独業績の売上高が同15.3%減の4,888百万円、営業利益が同94.0%減の27百万円と大きく落ち込んだことが要因となっている。

具体的には、2015年3月期から2期にわたって続いたオムニチャネル関連の大型プロジェクトが当3四半期でおおむね収束し、同プロジェクトの売上高が前期の1,794百万円から1,533百万円に減少した。また、当第4四半期に他の大型プロジェクト(1億円強の案件)で開発上のトラブルが生じ、受注損失引当金135百万円を計上したことも減益要因となった。

営業利益の増減益要因を項目別で見ると、売上減で約90百万円、受注損失引当金の増加で90百万円、新サービスの開発及び新拠点の開設費用増で100百万円の減益要因となっている。新サービスについては、店舗向け専用アプリ「ぽぷろう」の開発費、新拠点の開設費としては子会社のトライバルメディアハウスのベトナム開発子会社の開設費用がそれぞれ計上されている。なお、当期純利益については前期に計上した減損損失187百万円がなくなったことにより、若干の増益となっている。

子会社の業績については、トライバルメディアハウス、rakumoとも好調に推移した。トライバルメディアハウスについては、ソーシャルメディアを活用したマーケティング戦略に対する企業の投資意欲が活発化する中で、独自サービスの共創マーケティングツール「cocosquare」や、「エンゲージマネージャー」(ソーシャルメディア統合管理ツール)の導入社数が順調に拡大し、売上高で前期比30%増となった。

また、rakumoについてはクラウドサービスで提供するグループウェアソフト「rakumo」(※1)の導入社数が1,000社を突破し(前期末は697社)、売上高で前期比50%増、営業利益では2013年の子会社化以降、初の黒字を計上した。「rakumo」は交通費や経費の精算機能、スケジューラー機能など間接業務の生産性向上に寄与する複数の機能・サービスを提供しており、導入社数を年々伸ばしている。

これら子会社の売上が好調に推移した結果、自社プロダクト商品の売上高は前期比13%増の730百万円となり、連結売上高に占める比率は前期の9.0%から10.7%に上昇した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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