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【特集】シュッピン Research Memo(4):まとめ買い需要を喚起

シュッピン <日足> 「株探」多機能チャートより

■成長軌道回復に向けた取り組み

(2)見積りSNS

シュッピン<3179>は2016年3月期からマーケティングの強化に積極的に取り組んでいる。その第一歩が2015年12月にローンチした『見積りSNS』だ。これは同社のスタッフやエキスパート・レベルのユーザー(セミプロユーザーや自前でブログ等を立ち上げているヘビーユーザーなど)に、「おすすめセット」の提案を発信してもらい、まとめ買い需要を喚起しようという取り組みだ。カメラ本体とそれに合うレンズの組み合わせ提案などが典型例と考えられるが、目的別提案(星空撮影のためのレンズと三脚、フィルターの提案等)など組み合わせは無数に考えられる。使い勝手のポイントは提案に納得した人はワンクリックでショッピングカートに品物がそろうという点だ。

見積りSNSのサイトは現在はバージョン2に当たり、写真投稿機能や評価機能などの追加を行った。今後は、見やすさやセットの作り方に改良を加えたバージョン3にアップグレードを予定している。

これまでの実績を見ると、提案されたセット数が2015年12月に104だったものが2016年4月の段階では497に増え、同様に、閲覧者数は3,707人から13,029人へと増加してきている。同社は、閲覧者数は順調だが、セット数をもっと増やすことと、コンバージョン率(実際に購入に至る割合)をもっと上げるための施策を強化するとしている。

弊社では、この仕組みは特に初心者、入門者レベルのユーザーには非常に有効だと考えていた。弊社ではこれまでのところは一定の効果が出ていると評価している。最もポジティブに評価しているのは閲覧者数だ。弊社では、見積りSNSで提案されたセット内容(カメラのボディとレンズ3本セット)を見たうえで、そのセットの構成パーツを1つずつ買うケースも多いのではないかとみている。要は、見積りSNSが、「口コミ」の1つとして活用されているということだ。同社はコンバージョン率に対してはまだ低いと満足していないが、“見えないコンバージョン率”というのもあるのではないかと弊社では考えている。今後のセット数や閲覧者数の推移を見守りたいと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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