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【経済】英不動産市況の悪化に懸念、中国・香港企業にもマイナス影響


英国の商業用不動産ファンドが相次いで解約を停止している。英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱派が多数を占めたことを受け、不動産市況悪化を懸念する投資家が資金を引き揚げようと解約請求が急増したため。一部専門家の間では、ロンドンの商業不動産価格が向こう1年で約10%下落するとの予測も示されている。ポンド安の進行にも歯止めがかからないなか、英国に不動産を保有する中国・香港企業もマイナス影響を受けるとの懸念が強まり始めた。
特に中国人寿保険(2628/HK)や中国平安保険(2318/HK)といった保険会社は近年、英国での不動産投資を積極的に進めてきた経緯がある。例えば平安保険は2013年に、英保険組合ロイズ・オブ・ロンドンの本社ビル「ロイズビル」を2億6000万ポンド(約338億6100万円)で買収。15年には、ロンドン金融街のランドマークの一つ「タワープレース」を3億2700万ポンドで手に入れた。
香港企業でも、長江実業地産(1113/HK)がロンドンで不動産開発を手がけるなど、英国に投資しているデベロッパーが多い。例えば華人置業(127/HK)は15年末の時点で、英国に評価額3億515万ポンドの投資用不動産を保有している。
仮に英国のEU離脱が確定した場合、一部の金融機関や企業が欧州拠点をロンドンから移転する可能性が指摘されており、ポンド安と相まってロンドンの不動産価格を押し下げる圧力になるとみられている。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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