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2016年07月07日14時09分

【経済】中国:生鮮食品EC業者に倒産ラッシュ、95%が赤字経営


生鮮食品を扱う電子商取引(EC)業者が苦戦を強いられている。収益モデルを確立できない中で、撤退を余儀なくされる業者が後を絶たない状況だ。ある統計によると、昨年1年間だけでも13業者が倒産に追い込まれたという。北京商報が6日付で伝えた。
「2014~15年中国農産品電子商務発展報告」によると、中国の生鮮食品EC業者は昨年末時点で約4000社を数えたが、そのうち利益計上しているのはわずか1%にとどまった。4%が損益均衡の状態。残りの95%は軒並み赤字経営で、うち7%は巨額損失を計上した。
業界不振の背景にあるのは、業者間で進む同質化競争。ほぼ全業者が「規模追求型」の経営に走り、採算度外視で安値販売を繰り返してきた。一方でコールドチェーンを必要とする生鮮食品は物流コストが高くつく。結果的に、薄利・赤字継続の経営モデルが業界全体に浸透していった。
こうしたなか、同業界は倒産ラッシュを迎えている。米アマゾンから出資を受けた「上海美味七七」が資金繰り難で今年4月に経営破たん。これとほぼ同時期に同業界進出第1号の「優菜網」が市場撤退を宣言した。優菜網は設立当初、有機野菜のみを扱い利益計上していたものの、その後に非有機野菜へと取扱いを拡大。卸売市場から直接仕入れる方法を採ったが、客単価の下落で収益力が削がれていった。なお、上海美味七七についてはその後、家楽宝電子商務が買収を発表。美味七七のブランドを残す形で、経営再建が図られている。
従来の「B2C」モデルが難航する中で、ウェブサイト(オンライン)から実店舗(オフライン)に消費者を誘導するビジネスモデル「O2O」に活路を見出そうとするEC業者も出てきた。ネットで注文・決済し、実店舗で商品を受け取るといった仕組み。コスト低減につながるほか、実店舗で消費者にサービスを提供することが可能になる。業界関係者は「消費者との接点を増やすことで、顧客の囲い込みが狙える」と期待感を示した。
業界は低迷しているものの、生鮮食品のEC市場は有望分野といえる。中国では生鮮食品のEC浸透率が足元で1%に満たない低水準で、将来的な成長が見込めるためだ。調査会社ニールセンのレポートによると、同市場規模は年50%のハイピッチ成長を持続する見込み。18年には1500億人民元(約2兆2700億円)超まで膨張するとみられるという。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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