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2016年07月07日13時36分

【特集】ムサシ Research Memo(4):都知事選の収益インパクトに注目

ムサシ <日足> 「株探」多機能チャートより

■2016年の投資視点:選挙システム機材部門

(3) 2016年度の選挙需要の考え方

2016年度は、3年ごとの参院選挙が7月に行われる。一時期は、参院選に合わせて、衆院選が実施される衆参同日選挙の可能性が取り沙汰されたが、その後、同日選はなくなった。

注目すべきは、この同日選の消滅は、ムサシ<7521>にとって最悪シナリオを回避できたことになり、収益ポテンシャルが最大化することになる点だ。なぜなら、国政選挙1回当たりの特需を1とすると、衆参別日程であれば1+1=2となるが、同日選の場合には1+1=1.5程度にしかならないためだ。

もう一つの注目点は、同日選の消滅が、必ずしも今年度中に衆院選が実施されなくなったことにつながらないということだ。政局のことゆえ予断はできないが、今年度中に衆院選が行われる可能性はある。7月の参院選の結果や、憲法改正をめぐる議論、消費増税延期も含めた国内経済情勢など、政局を動かす材料は多い。しかし同社株価の動きを見ると、同日選の可能性が消えた段階で、衆院選については完全に切り離されたように見える。それゆえ、もし衆院選となった場合のサプライズはかなり大きなものになると弊社では考えている。

その一方で、同社が期初業績予想に織り込んでいなかった東京都知事選の実施が確定した。これについては広く報道されているため、選挙の実施自体は投資家の中ではある程度想定されていたと考えられる。しかしこの収益インパクトについては、過小評価されている可能性があると弊社ではみている。詳細は後述するが、東京都知事選は国政選挙に準ずるような収益インパクトがあり、決して軽視すべきではないと弊社では考えている。

(4) 2017年3月期の業績の考え方

同社は2017年3月期の選挙システム機材部門の売上高を34億円と計画している。前期からの増収幅は9億24百万円(37.3%)となるが、前期にあった大阪府知事選や統一地方選の需要のはく落分を考えると、参院選の直接的なインパクトとしては15億円程度が織り込まれているものと、弊社では推測している。

逆に言えば、参院選しか織り込まれていない。弊社では、この売上高見通しは非常に保守的であり、上振れする可能性が非常に高いと考えている。その構成要素として2つの上乗せ要因を考えている。

1)最も可能性が高い上乗せ要因は東京都知事選の需要だ。前回の東京都知事選の実施費用は総額で46~47億円だったもようだ。その中の最大の費目は人件費だが、同社にも都知事選関連特需の売上高が5~10億円規模で発生したもようだ。今回の都知事選についても、前回と同レベルの売上高の上積みを狙うことになるとみられる。選挙システム機材部門の推定利益率からみて、営業利益インパクトも2~3億円は期待できると考えている。

2)その次に挙げられるのが、衆院選の需要だ。衆院選が実施されることになれば、過去実績から売上高のインパクトは20~25億円、営業利益インパクトは5~6億円に達するとみられる。この収益インパクトは、衆参両選挙が同日に実施されなくなったことでフルに効いてくる。

以上を合算すると、選挙システム機材の今期の売上高は、40~69億円のレンジに達するというのが弊社の見方だ。少なくとも、期初予想に織り込んでいない東京知事選の実施は確定しているため、34億円の会社予想は40億円超に上振れる公算は大きいと考えている。ここに衆院選が実施されるかどうかで上振れ幅が変わってくる、という構成だ。前述したように、これらの要素は、まだ株価に織り込まれておらず、ポジティブサプライズを引き起こす可能性は高いと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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