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【通貨】欧米為替見通し:豪ドルは弱含みか、総選挙に不透明感

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、豪ドル・円は弱含む展開が予想され、ドル・円もやや引っ張られるかたちになりそうだ。2日に投開票された総選挙は接戦のため結果判明に数日要するとみられていることが背景。ターンブル首相の目論見通り与党が上下両院で過半数を確保できない可能性から、豪ドルの積極的な買いは手控えられるだろう。

ターンブル首相が1987年以来29年ぶりとなる上下両院のダブル選挙に踏み切ったのは、上院で否決された労組関連法案の成立と、上院は野党多数、下院は与党多数というねじれ解消が狙いとされる。下院選は定数150議席のうち過半数は76議席で、ターンブル首相率いる自由党と国民党の与党連合と野党・労働党との接戦となっている。開票作業は4日に再開されたもようで、通信社によると、これまで労働党が71議席を確保し67議席の与党連合をリード。無所属議員のスタンスが政権の行方を決めそうだ。

欧米市場での取引時間帯に大勢が判明し、上下両院で与党勝利の場合には、労組関連法案の成立で企業の生産性向上と経済促進に寄与が見込まれ、豪ドル買いにつながるだろう。しかし、野党側は選挙戦で、与党が選挙後に修正するとみられる公的医療保険や教育、環境分野について維持を訴え、予想外に躍進。米格付会社スタンダード&プアーズ(S&P)は、議会の手詰まり状態が続けば格下げの可能性に言及している。日銀による追加金融緩和への期待感などで円売り圧力は強いが、目先は積極的な豪ドル買いが弱まることで値を下げそうだ。


【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・6月建設業PMI(予想:50.7、5月:51.2)
・18:00 ユーロ圏・5月生産者物価指数(前年比予想:-4.1%、4月:-4.4%)
・米独立記念日でNY市場は休場


 提供:フィスコ

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