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【注目】前週末1日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

アウトソシン <日足> 「株探」多機能チャートより

■アウトソーシング <2427>  4,920円 (+225円、+4.8%)

 アウトソーシング <2427> が3日続伸。1日に発表された5月の有効求人倍率は1.36倍と24年7カ月ぶりの高水準となった。IT系や土木建築系の技術者の派遣・請負を手掛ける同社には人手不足は追い風。16年12月期の連結純利益は会社予想の24億円に対して市場には27億円(前期比49%増)前後への増額期待も浮上。来期も2ケタ増益による連続最高益が見込まれている。

■日本新薬 <4516>  5,600円 (+240円、+4.5%)

 日本新薬 <4516> が3日続伸。前々週末に全般相場波乱に流されて下押したものの、再び買い直される展開。前立腺肥大に伴う排尿障害を改善する「ザルティア」が認知度の高まりから本格成長期に入っている。また、抗体医薬に次ぐ新型のバイオ医薬品として期待を担う核酸医薬分野にも経営資源を投入し注目されている。米製薬大手のバイオジェンは遺伝子が原因で筋力が失われる脊髄性筋委縮症向けの核酸医薬の承認を来年にも厚生労働省に申請する方向にあり、2018年にも国内で核酸医薬が発売される公算が大きくなった。そのなか、日本新薬はアンチセンス核酸医薬品であるDMD(デュシェンヌ型筋ジストロフィー)治療剤の開発に傾注しており、18年上市を目指し期待が膨らんでいる。

■ペプチドリーム <4587>  6,340円 (+260円、+4.3%)

 ペプチドリーム <4587> が5日続伸。2つ以上結合した特殊なアミノ酸(特殊ペプチド)を使用した創薬基盤技術を商業化したベンチャーで創薬初期段階から収入を得られるのが強み。大手製薬会社との共同開発契約は15社に達し、「安定的な利益を確保できている点が他のバイオベンチャーと一線を画す」(市場関係者)といわれている。6月中旬には契約先の米ブリストル・マイヤーズスクイブ社と共同研究している特殊環状ペプチドが臨床試験に入ったことを開示している。また、直近では6月29日に研究開発中だった抗インフルエンザ薬「PD-001」について、動物実験などで機能や安全性を調べる前臨床試験を開始することを発表、これも株価上昇を後押しする刺激材料となったもよう。

■電通国際情報サービス <4812>  1,655円 (+61円、+3.8%)

 ISID <4812> が5日続伸。英国EU離脱(Brexit)の6月24日に急落したが、安値を拾う動きから急落前の株価水準への回復が目前となった。国内大手証券からポジティブな内容のアナリストリポートが確認されている。大和証券ではISIDが決算時期を変更した事を精査して、調査分析の結果、同社の高成長を印象付ける結果になると予想。フィンテック、デジタルマーケティング、MBDなど市場攻略で業績は長期拡大、Brexitの影響が見当たらず「株価調整で魅力増大」とポジティブな内容で紹介している。レーティング「1」を継続、目標株価は2360円から2330円へ引き下げているものの、時価1600円台からすれば目標株価までのカイ離が大きいことも注目材料。

■ヤマトホールディングス <9064>  2,430円 (+89.5円、+3.8%)

 ヤマトホールディングス <9064> が大幅に5日続伸。メリルリンチ日本証券では、今期を構造改革の転換点と位置づけ、18年3月期営業利益は市場コンセンサスの700億円を上回る773億円と予想。18年3月期から19年3月期のEPS成長率を年率13%と予想し、レーティングを「アンダーパフォーム」から「買い」に、目標株価を2200円から2600円に引き上げている。

■MonotaRO <3064>  3,470円 (+115円、+3.4%)

 MonotaRO <3064> が上昇。同社は工具・工場用品のネット販売を主力としているが、低価格志向と商品ラインアップの充実が顧客ニーズをとらえ、業績成長トレンドを走っている。テレビCMなど広告戦略を強化し、プライベート商品の拡充も利益率向上に寄与している。SMBC日興証券が30日付で同社のレーティングを「1」継続(目標株価4300円)でフォローしていることもポジティブ材料となったようだ。

■味の素 <2802>  2,483.5円 (+77.5円、+3.2%)

 味の素 <2802> が反発。みずほ証券では、株価好材料に乏しい印象としながらも、経済環境が厳しい新興国での現地通貨ベースの調味料事業の堅調継続、構造改革に取り組む米国冷凍食品事業の中期的ポテンシャル、17年3月期までの中計期間における約7割の総株主還元性向見通し、停滞する動物栄養事業の底入れ気運の高まりに注目。レーティング「買い」を継続し、目標株価は2850円から2860円に引き上げている。

■良品計画 <7453>  25,520円 (+640円、+2.6%)

 良品計画 <7453> が大幅高。積極的な出店戦略で業績拡大路線を走り、国内では「無印良品」が高品質の生活雑貨などの寄与で好調を持続、海外でも「MUJI」ブランドをアジアを中心に展開し収益に大きく貢献している。1日引け後に17年2月期第1四半期決算発表を控えていたため、好決算を先取りする買いが流入したもよう。

■しまむら <8227>  15,530円 (+350円、+2.3%)

 しまむら <8227> が3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券はリポートで、主力のしまむら業態のほか、バースデイ業態が引き続き成長ドライバーとなっており、厳しい展開が続いてきたアベイル業態もやや持ち直し傾向にあると紹介。ただ株価は第1四半期決算を受けて既に上昇しており、これらの材料は織り込み済みと指摘。下期に向けては、秋冬商品の立ち上がりを見極めることが肝要とみて、業界内での価格競争再燃が懸念されるなか、四半期毎の営業利益の2桁増益基調から1年を経過してなお成長し続けるかどうか注目されると解説。レーティングは「ニュートラル」を継続。目標株価は1万4800円から1万5200円へ引き上げている。

■NEC <6701>  241円 (+4円、+1.7%)

 NEC <6701> が寄り付きから買い人気を集め3日続伸。同社は30日、ナノ炭素材料の一つとして、カーボンナノホーンの繊維状集合体である「カーボンナノブラシ」を発見し、その作製に世界で初めて成功したと発表した。カーボンナノブラシは、従来の球状カーボンナノホーン集合体と同様に水や溶媒への分散性が高く、物質を包含する吸着性が高いという特性を持つとともに、従来の10倍以上の高い導電性も有している。IoTデバイスなど産業応用への観点で今後注目されそうだ。

■ユーグレナ <2931>  1,448円 (+23円、+1.6%)

 ユーグレナ <2931> が反発。30日、同社がバングラデシュに設立した合弁会社グラミンユーグレナがバングラデシュ政府系開発機関PKSFと業務提携。バングラデシュ国内の市場価格を上回る価格で緑豆を買い取り、日本へ輸出することを目指した「緑豆プロジェクト」の拡大を推進すると発表、これが株価を刺激する格好となった。

■東京エレクトロン <8035>  8,679円 (+104円、+1.2%)

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券のエレクトロニクス業界のリポートでは、Brexitの展開は予想困難も、当面の間通貨としてのユーロに対する信任が低下し、相対的な安定通貨としての日本円に対する選好が強まる可能性が高いと指摘。前工程SPE各社は、業績の底堅さを再認識、3DNANDに対する期待値は依然として上昇途上にあるとみて、テクノロジーセクター内での相対的安心感からも選好されやすいと解説。特にメモリ設備投資の恩恵を受けやすい銘柄はピークのバリュエーションまで評価が高まると考え、東京エレクトロン <8035> と日立国際電気 <6756> の目標株価を引き上げ。他では、「盤石のソニー <6758> 、悪くないパナソニック <6752> 」と評して、産業用エレクでは三菱電機 <6503> 一択の状況が続くと予想している。

※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。


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