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2016年07月01日16時00分

【特集】あらた Research Memo(2):今後も業界でのシェア拡大余地は大きい

あらた <日足> 「株探」多機能チャートより

■会社概要

(1)事業内容

あらた<2733>は日用雑貨・化粧品カテゴリーで国内最大級の卸商社で、現在の顧客数は全国で約5,300社、4.5万店舗に上り、約1,300社の取引先から14.4万品目にわたる商品を仕入れ、これら顧客へ供給している。

同社の売上高を商品カテゴリー別(2016年3月期)で見ると、Health & Beautyが29.1%、トイレタリーが24.0%、紙製品が21.6%とこれら3分野で全体の約75%を占めている。また、顧客の業態別で見ると、ドラッグストアが46.1%、ホームセンターが17.2%と両業態だけで全体の60%を超える比率となっている。

現在の物流拠点は主要な物流センター10拠点を核にして、全国に20拠点以上を整備しており、直近では2015年3月に東北の大型物流拠点となる北上センター(岩手県)を稼働させている。

日用雑貨・化粧品カテゴリーにおける卸売業界の中で同社のポジショニングは、PALTAC<8283>と双璧を成している。同カテゴリーの国内市場規模は3.6~3.7兆円の規模で、業界構造としては大手の寡占化が進む状況にある。現在の同社の業界シェアは15~20%程度と推定され、今後もシェアの拡大余地は大きいとみられる。

(2)主要グループ会社

同社のグループ会社は連結子会社が9社、持分法適用関連会社1社で構成されている。主要な連結子会社としては、ペット関連商品の卸で業界シェア約20%と最大手であるジャペルのほか、化粧品雑貨の卸であるファッションあらた、店頭管理を行うインストアマーケティングなどがある。このうち、ジャペルの売上規模は2016年3月期で983億円と、連結売上高の約15%を占めている。また、海外では中国及びタイに子会社を展開しているが事業規模としてはまだ小さい。

(3)同社の強み

同社の強みとして、「中間流通業が持つサプライチェーン全体を網羅する情報蓄積」「蓄積された情報を活用した店頭提案と小売業を支える在庫の効率化」「ローコストで高精度な物流機能」が挙げられる。

a)中間流通業が持つサプライチェーン全体を網羅する情報蓄積
同社は約4.5万店舗から日々集まる商品別の売上情報や在庫量、約1,300社からなる取引先メーカーからの新製品情報などを社内の情報システムで一元管理し、中間的な立ち位置から、双方にとって有用な情報を迅速に発信することを実現している。広域に張り巡らされたネットワークによって日々集まる膨大な情報量は、顧客店頭において消費者ニーズを満足させる売り場を作り上げていくための最大の強みとなっている。

b)蓄積された情報を利用した店頭提案と小売業を支える在庫の効率化
顧客となる小売店舗にとっての目標は、「売上の拡大」であり、そのためには「売れる売場づくり」が必要となる。同社では全国に配置されている約1,000名の営業担当者がPDCA活動を行うことで、その実現を支援している。

Plan(企画・提案)では52週提案や、3ヶ月先行提案、棚割りの提案などをPOSデータ等活用しながら実施している。Do(店頭の演出・販促)では、次世代型の店頭演出や消費者にとって楽しく見やすい売場づくりを行う。次世代型の店頭演出とは、地域のマス広告によるメーカーの販促施策と、店頭での販促活動を連動させた売場づくりのことで、顧客店舗における販促効果の最大化を目指している。マスメディア広告との連携においては関連会社の電通リテールマーケティングと連携して行っており、同業他社にはない同社の特徴と言える。Check(店頭チェック)では、決まった担当者が、決まった日に、決まった店舗に訪問する「定期・定人・定店」が同社のコンセプトとなっており、顧客との信頼関係構築をより強固なものとしている。最後のAction(報告・共有)では、営業担当者が顧客店舗を訪問した際の情報を逐次、社内情報システム「店頭ナビ」に入力し、全体で情報の共有を図っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YF》

 提供:フィスコ

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