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【経済】中国の美的:東芝シロモノ家電事業買収、514億円で80.1%出資


中国家電大手の広東美的集団(000333/SZ)は6月30日、シロモノ家電事業を展開する東芝ライフスタイルに80.1%正式出資したと発表した。負債肩代わり分も含めて514億円を払い込んだという。今回の取引計画は、すでに今年3月30日に予告されていた。グローバル戦略を一段と推進する狙い。冷蔵庫、洗濯機、掃除機などの生産販売を強化し、向こう40年にわたって「東芝」ブランドで世界展開する予定だ。双方が擁する経営資源を補完しながら、今後の成長チャンスを探る構え。美的にとっては、5000件を超える特許利用が可能になる。残りの株式19.9%については、東芝が保有し続ける。東芝は15年12月21日、ライフスタイル部門で6800人を対象に再配置・早期退職を募ることを軸にした合理化策を発表していた。「Midea」ブランドで製品を展開する美的は、世界売上高が2015年通年で210億米ドルに達した。うち海外は80億米ドル近く(全体の約4割)に上る。グループ傘下に広東美的電器や無錫小天鵝(000418/SZ、200418/SZ)、威霊HD(382/HK)などを置く。

美的は海外で買収攻勢を仕掛けている。独産業用ロボット大手のKUKA(KU2/Xetra)に提示した買収計画も前進。KUKA大株主の美的は28日、買収後も独国内の各拠点と雇用を守ることで株主間契約を交わしたと発表した。美的は株式公開買い付け(TOB)に49億9000万米ドルを投入する計画。100%出資のMECCAインターナショナルを通じ、KUKA株30%以上の取得を目指している。足元の持株比率は13.7%で2位株主。16.3%以上を追加取得すれば、目標の30%に届く計算だ。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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