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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

エボラブルA <日足> 「株探」多機能チャートより

■関東電化工業 <4047>  958円 (+103円、+12.1%)

 東証1部の上昇率3位。関東電化工業 <4047> が大幅高。半導体や液晶向けに特殊ガスを生産販売、リチウムイオン電池用電解質にも展開しており、車載向けが好調で高水準の需要をとらえている。値動きの速さが特徴で個人投資家を中心とした短期資金の注目度も高い銘柄だ。東海東京調査センターが28日付で同社株のレーティングを「アウトパフォーム」継続でフォローするとともに目標株価を1100円から1380円に引き上げており、目先はこれが好感された格好だ。同調査センターでは関電化の17年3月期業績について、営業利益段階で会社側計画の76億円(前期比12.1%減)に対し87億円(同0.6%増)とわずかながら増益を見込んでいる。

■エボラブルアジア <6191>  6,210円 (+600円、+10.7%)

 エボラブルアジア <6191> [東証M]が後場上げ幅を拡大し年初来高値を更新。29日正午ごろに、7月13日から15日に東京ビックサイトで開催される「第6回オフィスサービスEXPO」に出展すると発表しており、ビジネスチャンス拡大への期待感から買いが入ったようだ。「オフィスサービスEXPO」は、オフィス向けサービスに特化した商談専門展。業務効率化・コスト削減・福利厚生に関わるサービスが一堂に出展し、来場する課題を持った企業の総務や人事、経営者との商談の場として、年々規模を拡大しているという。同社はなかでも、国内出張の旅費に関わる包括的なコストの削減を目的とした、旅Pro-BTMのサービスブースを出展するとしている。

■DCMホールディングス <3050>  892円 (+85円、+10.5%)

 東証1部の上昇率8位。28日、DCMホールディングス <3050> がくろがねや <9855> [東証2]を株式交換で完全子会社化すると発表したことが買い材料視された。くろがねや株1株に対して、同社株0.6株を割り当てる。発表を受けて、買収効果を期待する買いが向かった。併せて、決算を発表。17年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益は前年同期比10.8%増の64.6億円に伸びて着地したことも好感された。

■オープンドア <3926>  3,355円 (+280円、+9.1%)

 オープンドア <3926> [東証M]が3日続伸。28日の取引終了後、「トラベルコちゃん」の「海外航空券+ホテル比較サービス」において、ANAセールス(東京都中央区)が販売する海外ダイナミックパッケージ「旅作(たびさく)」の掲載を開始したと発表しており、利便性向上による利用者層の拡大を期待した買いが入った。ANAセールスの「旅作」はインターネット上で航空券とホテルを組み合わせてオリジナルのパッケージツアーを作り、予約から支払いまでオンラインで行うことのできるダイナミックパッケージ商品。ANAセールスはこれまでもトラベルコちゃんの海外・国内ツアー、国内航空券+ホテル比較サービスに多くの商品を掲載してきたが、新たに「海外航空券+ホテル比較サービス」でも「旅作」の掲載を開始することになる。

■アドウェイズ <2489>  1,007円 (+80円、+8.6%)

 アドウェイズ <2489> [東証M]が3連騰。29日、インドに子会社アドウェイズインディアを設立したと発表しており、海外事業強化につながるとの見方から買いが入った。また、インド子会社設立に伴い、同国においてPOKKT(ポケット)のブランドでモバイル広告事業を展開するメイデン・マーケティング(ムンバイ)とパートナーシップを締結し、POKKTが提供するAndroidアプリ「Pocket Money」を譲り受けるとあわせて発表。同アプリはアプリ内で貯めたポイントをモバイルのプリペイドリチャージやサードパーティーのモバイルウォレットにチャージできるサービスで、現在、インド国内で600万以上インストールがされていることから、業績への寄与が期待されている。

■寿スピリッツ <2222>  3,360円 (+250円、+8.0%)

 寿スピリッツ <2222> が後場に入り上げ幅を拡大。29日正午ごろ、4月28日にタデアイ(藍)のポリフェノール(フラボノイド化合物)の物質特許を取得したと発表しており、これを好感した買いが入った。今回の特許取得は、タデアイ(藍)のポリフェノール(フラボノイド化合物)の物質特許、製法特許およびコレステロール合成に関わる3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル(HMG)-CoA還元酵素阻害剤としての用途特許について。グループ会社の寿製菓が、タデアイ(以下藍)を健康食品素材として販売する目的で、島根大学生物資源科学部の横田一成教授と藍の健康機能性成分を検索した成果で、グループ会社の純藍では「藍の青汁」の販売も行っている。

■ディップ <2379>  2,731円 (+164円、+6.4%)

 ディップ <2379> が続伸。みずほ証券では、求人ビジネスへの需要には構造的な人手不足も関係していると指摘。同社はWEBに特化した戦略によりシェアを拡大し続け、今後も強い業績モメンタムが継続するとみて、レーティング「買い」、目標株価3200円でカバレッジを開始している。

■ニプロ <8086>  1,274円 (+66円、+5.5%)

 28日、ニプロ <8086> が発行済み株式数(自社株を除く)の2.93%にあたる500万株(金額で50億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は6月29日から12月28日まで。

■東京エレクトロン <8035>  8,427円 (+348円、+4.3%)

 東京エレクトロン <8035> が年初来高値を更新。クレディ・スイス証券では、4-6月期受注高は1500億円とみているものの、7-9月期以降は3DNANDの新規能力拡張に対する受注増を想定し、7-9月期売上高は1700億円、10-12月期売上高は1900億円と予想。17年は、3DNANDの増産投資継続やファウンダリの7nmプロセス量産投資など事業環境のビジビリティが高まっているため、1000億円規模の自社株買いが早期に発表される可能性もあると解説。レーティングを「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に、目標株価を7610円から1万200円に引き上げている。

■協和発酵キリン <4151>  1,775円 (+72円、+4.2%)

 協和発酵キリン <4151> が3日続伸。同社は28日、現在開発中の抗線維芽細胞増殖因子23完全ヒト抗体(KRN23)が、FDA(米国食品医薬品局)から画期的治療薬の指定を受けたと発表。これが材料視されたようだ。画期的治療薬の指定は、現在米国や欧州で実施中の小児X染色体遺伝性低リン血症を対象にした第2相試験で、当初組み入れられた36例の試験開始40週目に得られた中間解析結果に基づき行われたもの。指定を受けると、効率的に開発プログラムを進めるためのFDAガイダンスが適用されるとともに、審査には経験豊富なFDAの審査担当が直接携わるなどの優遇策が図られる。

■日立製作所 <6501>  426.3円 (+15.8円、+3.9%)

 日立製作所 <6501> が4日ぶりに反発。岩井コスモ証券は前日引け後、同社についてリポートをリリース。それによると、円高や英国問題は原子力発電や鉄道などのビジネスの動向や収益予想への不透明材料であると紹介。特に英国での生産や、販売拠点の構築を進めた鉄道事業には注意したいと指摘。今後は英国への製品や部品の供給に対する関税の発生や、円高で受注獲得の減少が懸念されると解説している。投資判断は「B」を継続し、目標株価を520円から430円へ引き下げている。

■東京建物 <8804>  1,213円 (+38円、+3.2%)

 東京建物 <8804> が大幅高。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、同社は不動産上昇相場の初期やリスクオンの局面でアウトパフォームし、不動産サイクルの成熟期にはマクロ不透明感などによりアンダーパフォームすると指摘。18年12月期営業利益は409億円に到達すると見ているものの、その後は400億円台前半で横ばいになると予想し、中期利益成長力の点で投資魅力は低いと解説。レーティングを「オーバーウエイト」から「アンダーウエイト」に、目標株価を3380円から850円に引き下げている。

■トヨタ自動車 <7203>  5,119円 (+144円、+2.9%)

 トヨタ自動車 <7203> が4日ぶり反発。同社は英国のEU離脱ショックを受けて急落、全体相場が戻りに転じた場面でも、為替の円高警戒感を背景に売りに押される展開が続いていた。日経平均が3日続伸歩調となるなかで、株価は著しく出遅れており目先リバウンド期待の買いが入った。ただ、足もとの為替動向は1ドル=102円台前半と円高含みであり上値も重い。29日の売買代金は東証1部のトップ、全取引所の2位となっており、マーケットの注目度の高さをうかがわせる。


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