【市況】前場に注目すべき3つのポイント~金融・輸出関連のリバウンド狙い、内需・ディフェンシブは一服
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
29日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:金融・輸出関連のリバウンド狙いか、内需・ディフェンシブは一服
■外資系証券の注文動向:差し引き20万株の買い越し
■前場の注目材料:・コメダが東証1部に新規上場
■金融・輸出関連のリバウンド狙いか、内需・ディフェンシブは一服
29日の日本株市場は買い先行の展開となろう。英国の欧州連合(EU)離脱による懸念が一服し、欧州株が全面高となった流れが好感される。米国ではNYダウが260ドルを超す上昇となり、シカゴ日経225先物清算値は大阪比255円高の15555円だった。これにさや寄せする格好からインデックス買いによってギャップ・アップでのスタートとなろう。
また、米国では銀行の上昇が目立っており、内需・ディフェンシブ系の流れから、本日は足元低迷していた金融のほか輸出関連辺りへの自律反発が意識されそうである。トヨタ自<7203>は3年3ヶ月ぶりに節目の5000円を割り込んでおり、いったんは自律反発が期待されやすいであろう。
もっとも、英国のEU離脱に伴う欧州不安が後退した訳ではなく、先物主導のインデックス買いで上昇した後は強弱感が強まりやすいだろう。日経平均は15000円処を固めており、リバウンドを探る流れ。価格帯別出来高では15300円辺りがやや積み上がっているため、15300-15500円処での攻防は想定内。
この水準を明確に突破してくると、16500円辺りまでは商いが薄いため、リバウンド余地が拡大するだろう。一方で下も薄く、15000円を支持線として踏ん張れないと14500円、14000円辺りが意識されてくる状況は変わらず。上値の重さが意識されてくると、短期筋の利益確定に向かわせよう。
なお、ソロス・ファンドはドイツ銀行株で約700万株の空売りポジションを組んだと伝えられている。銀行の戻りの鈍さが意識されてくるようだと、売り仕掛け的な流れも出てきやすいだろう。内需・ディフェンシブ系は一服になりそうだが、海外の不透明要因や政策期待から、押し目拾いの動きは強そうだ。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■外資系証券の注文動向:差し引き20万株の買い越し
朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1360万株、買い1380万株、差し引き20万株の買い越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。
6月22日(水):10万株の売り越し
6月23日(木):590万株の買い越し
6月24日(金):230万株の買い越し
6月27日(月):320万株の買い越し
6月28日(火):10万株の売り越し
■前場の注目材料
・NYダウ上昇(17409.72、+269.48)・NY原油(47.85、+1.52)
・10兆円を超える規模の補正予算を求める意見
・イスタンブールの空港で爆発
・トヨタ<7203>、3年3ヶ月ぶり安値
・北朝鮮 最高人民会議きょう開催へ
・世界的歌手のステージをVR配信
・LINE<3938>、上場の仮条件決定
・ソラスト<6197>が東証1部に新規上場
・コメダ<3543>が東証1部に新規上場
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:40 政府・日銀が首相官邸で会合(英国のEU離脱問題)
・08:50 5月商業動態統計・小売販売額(前年比予想:-1.6%、4月:-0.9%)
<海外>
・特になし
《WA》
提供:フィスコ