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2016年06月24日08時46分

【特集】ダイナムジャパンHD Research Memo(6):16/3期は微増収ながら減益で着地


■業績動向

(1) 2016年3月期決算

ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の2016年3月期は、営業収入155,911百万円(前期比0.9%増)、営業利益18,166百万円(同6.1%減)、税引前利益17,403百万円(同10.8%減)、親会社所有者に帰属する利益10,544百万円(同6.7%減)、EBITDA30,494百万円(同0.5%減)と、微増収ながら減益で着地した。同社は業績予想を公表していないため、計画との対比はない。弊社では2016年3月期第2四半期決算を受けて、通期の営業収入を158,000百万円前後、営業利益を16,500百万円~17,000百万円と推定していた。

同社は2015年11月1日付で、同業の夢コーポレーションを傘下に収めた。そのため、2015年11月から2016年3月までの5ヶ月間の夢コーポレーションの業績が連結されている、その影響額は、貸玉収入で29,297百万円、営業収入で5,703百万円だった。夢コーポレーションの新規連結の影響を除くと、貸玉収入、営業利益ともに前期を下回っており、業界全体の逆風の強さが浮き彫りになった形だ。

グロスの収入である貸玉収入は844,885百万円(前期比2.3%増)だった。夢コーポレーションの連結効果を除いた実質ベースでは前期比1.3%減であった。この減収率は、業界平均の減収率よりも軽微であったと弊社ではみている。景品出庫額は報告ベースでは前期比2.6%増であり、実質ベースでは同0.9%減となった。貸玉収入に対する景品出庫額の割合である出玉率は、2015年3月期の81.3%から2016年3月期は実質ベースで81.6%に上昇した。客数確保のためには出玉率を上げることが効果があるとされるが、出玉率引き上げは粗利益率(貸玉収入に対する営業収入の割合)低下を意味する。同社は出玉率を細かくコントロールしながら、客数の本格回復が見られない業界構造の中で、報告ベースの営業収入(ネット売上高)は155,911百万円(前期比0.9%増)と前期並みを確保した。

費用面では、店舗における人件費や機械費の抑制に努めたものの、夢コーポレーションの新規連結に伴う増加もあり、営業費用は138,326百万円(前期比2.7%増)となった。その結果、営業利益は前期比6.1%減の18,166百万円にとどまった。企業の稼ぐ力を表象するEBITDA(営業利益+減価償却費など)は30,494百万円(前期比0.5%減)となり、前期並みを確保した。

(2) 2017年3月期の考え方

同社は業績見通しを公表していない。弊社では、同社の2017年3月期について以下のような推測が可能ではないかと考えている。

同社特有の増収要因としては夢コーポレーションの連結決算へのフル寄与がある。前期は5ヶ月間の新規連結だったため、2017年3月期は7ヶ月分が押し上げ効果として期待される。その金額は前期実績から推計して営業収入ベースで7,500百万円前後とみられる。

他方、2017年3月期も業界環境の厳しさは続くと考えられる。それは同社にしても同様である。また、射幸性規制の影響などもあって、今期は新規出店が大きく減少する見通しである。このため、客数の低下がそのまま貸玉収入をヒットする可能性がある。業界全体の売上高(貸玉収入)は、2005年のピークから2014年までの9年間で年平均3.8%のペースで減少してきた。

同社が低貸玉営業にシフトが進んでいることや射幸性に頼らない店づくりをしていることを踏まえて、減収率を業界より低めの3%とすると、2016年3月期の報告ベースの貸玉収入844,885百万円は、2017年3月期には819,538百万円に縮小する。これに対する粗利益率(“1?出玉率”)を前期並みの18.5%と仮定すると、営業収入は151,614百万円となる。ここに夢コーポレーションの7ヶ月分の営業収入7,500を加えると、連結営業収入は159,114百万円(前期比2.1%増)と試算される。

費用面も夢コーポレーションの分がフルに連結されることになるが、450近い店舗数を活かしたスケールメリットの実現やローコストオペレーションの徹底などにより、前期並みの営業利益率(営業収入に対する営業利益の割合。2016年3月期実績は11.7%)を確保することが十分可能だと弊社では考えている。2017年3月期は、店舗の大規模リニューアルが計画されておらず、この点も利益面ではプラス要因に働くと期待される。

以上のように、横ばい圏ながらも営業増益になる可能性は十分にあると弊社では考えている。しかしながら、前述した射幸性の規制の一環でパチンコ機が回収される動きが今上期中は続くと計画されており、それによる客足への影響の全容はまだ見通せないのが現実だ。減益になる可能性も視野に入れながら、動向を慎重に見守っていきたいと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《YF》

 提供:フィスコ

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