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【特集】ダイナムジャパンHD Research Memo(1):ローコストオペレーションと上場企業の強みを生かし攻勢を続ける


ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は店舗数で第1位、貸玉収入で第2位と、日本最大級のパチンコホール運営企業だ。同社の強みと特徴は、チェーンストア理論に基づいて練り上げられてきたローコストオペレーションにあり、それは新規出店から日々の店舗運営まで徹底されている。また、顧客第一主義や情報開示、コンプライアンス経営の徹底などが評価されて業界初の株式上場を果たしたパイオニア企業である。

パチンコ市場は縮小傾向が続いているが、同社の成長戦略は従来からまったく変更はない。チェーンストア理論に基づくローコストオペレーションと、上場企業ならではの資金調達力を活かして、業界再編の波を生き抜くという戦略だ。自身の出店によるオーガニックグロースとM&Aを適宜組み合わせて、店舗網の拡大を通じた収益の成長を目指している。

同社は2015年11月に株式交換によって同業の夢コーポレーション(株)をグループ化した。これにより39店舗を獲得したが、1店舗当たりの対価は約150百万円だった。これは同社の新規出店モデルの金額の3分の1を下回る水準であり、大成功と言えるグループ化案件であったと弊社では評価している。競争環境が一段と厳しくなるなか、こうした案件が今後も出てくる可能性は高く、同社は今後も数少ない有力な買い手であり続けると、弊社ではみている。

2016年3月期決算は、市場全体の縮小の影響を受けながらも、EBITDAベースでは前期比横ばいを確保した。2017年3月期について会社予想は公表されていない。2017年3月期には、射幸性規制に伴うパチンコ機回収の影響などの不透明要因があるため、慎重に見ておく必要がある。同社固有の要因としては、夢コーポレーションの通期フル連結(前期は5ヶ月間の連結)による増収効果というプラス要因があり、それによって市場に吹く逆風をどこまで吸収できるか見守りたいと考えている。

■Check Point
・厳しい経営環境は業界再編を通じたシェア拡大と成長のチャンス
・投資基準に適う案件については今後も積極的にM&Aを拡大
・株主還元の一環として自社株買いを実施

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《YF》

 提供:フィスコ

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