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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

富士重 <日足> 「株探」多機能チャートより

■富士重工業 <7270>  3,908円 (+101円、+2.7%)

 富士重工業 <7270> が反発。クレディ・スイス証券では、供給制約の解消や今期のImpreza以降の新車攻勢により、高水準の台数/トップライン成長は当面続くと指摘。収益も18年3月期以降は巡航速度の成長に回帰するとの見方で、外部要因による一過性の収益の踊り場から、再び中期成長性に市場が目を向ける局面が訪れると予想。レーティング「アウトパフォーム」を継続、目標株価は4500円から4450円に調整している。

■三井化学 <4183>  395円 (+10円、+2.6%)

 三井化学 <4183> が5日続伸。化学メーカーの17年3月期は、前期のように原燃料コストの低下メリットが見込めないことに加え、為替の円高反転トレンドで総じて収益環境には向かい風が強い。そのなか、三井系総合化学大手である同社は多角的な展開力を生かし、「ヘルスケア、自動車用機能性材料などの非石化事業へ経営の軸足をシフトしていることから、相対的に強みを発揮しやすい」(業界担当アナリスト)と指摘される。ヘルスケアでは新興国の高水準の需要を背景に、不織布などの紙おむつ材料が好調で、今後も増産基調が続きそうだ。17年3月期営業利益は弱含み横ばい見通しながら、18年3月期は「今期推定比2ケタ増益が有望」(同)との見方が強い。

■クラリオン <6796>  273円 (+6円、+2.3%)

 クラリオン <6796> が堅調。日立システムズ(東京都品川区)は23日、クラリオンと共同で茨城県笠間市において「服薬支援クラウドサービス」の試験導入および笠間市が運用する「介護健診ネットワーク」との連携に関する実証実験を行ったことを明らかにした。実験の結果、適切な高齢者の服薬管理などが行えることを実証。今後、両社は「服薬支援クラウドサービス」の本格展開を目指すとしている。

■アシックス <7936>  1,911円 (+40円、+2.1%)

 アシックス <7936> が反発。みずほ証券では、16年12月期営業利益は2期連続の減益とみるも、国内事業の構造改革効果に加え、ランニングシューズでの高いブランド力を活用した海外事業の拡大により、17年12月期以降は増益基調に回帰すると予想。現時点では、アスレジャー関連としてのプレミアムの付与は困難も、足元の株価調整により業績悪化の可能性は概ね織り込まれたと判断。レーティング「中立」を継続、目標株価は2300円から2000円に引き下げている。

■日産自動車 <7201>  1,027円 (+20円、+2.0%)

 22日、日産自動車 <7201> が発行済み株式数の2.31%にあたる1億0400万株の自社株を消却すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。消却予定日は6月30日。

■新生銀行 <8303>  160円 (+3円、+1.9%)

 SMBC日興証券の銀行セクターのリポートでは、銀行株は再び日銀金融政策に左右される展開が続き、当面レンジ推移が継続すると指摘。向こう2年間は減収・減益基調が続くとみて、業種格付けは「中立」継続。個別では、新生銀行 <8303> をトップピックに、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> とりそなホールディングス <8308> も選好している。

■ルネサス <6723>  654円 (+12円、+1.9%)

 ルネサスエレクトロニクス <6723> が反発。同社は23日、自動運転時代の複雑な走行制御を容易に実現するマルチコアマイコン向けソフトウエア開発ソリューションとしてRH850マルチコア・モデルベース開発環境(RH850 MBD)を開発したことを発表した。新たに開発したRH850 MBDはマルチコア用ソフトウエアの実装設計を自動化し、MBDプロセス前期でマルチコア性能を確認して開発後期の手戻りを防止するとともに、マルチコアマイコンの性能を最大限に発揮させることを可能にしている。これを「Embedded Target for RH850 Multicore(仮称)」の名称で、16年秋より発売する計画。

■ダイキン工業 <6367>  8,922円 (+153円、+1.7%)

 ダイキン工業 <6367> が5日続伸。クレディ・スイス証券では、同社株価は円高進行を主因に利益確定売りに押されているものの、1ドル=103円、1ユーロ=118円レベルなら吸収可能と指摘。景気サイクルに左右されない自力安定成長企業と位置付け、10年内に営業利益倍増シナリオは不変と解説。レーティング「アウトパフォーム」を継続、目標株価を9300円から1万1000円に引き上げている。

■戸田建設 <1860>  426円 (+7円、+1.7%)

 英国の国民投票が終われば、日本国内は7月10日の参院選挙がイベントとなる。ストラテジストからは、安倍政権がこのまま株安を放置して選挙戦を戦う訳がない、なんらかの経済対策を打ち出すのではないかとの見方が出ている。大和証券では「信用期日明け・季節性から建設株に期待」とリポートで紹介している。個別銘柄では12月に天井つけた戸田建設 <1860> 、東亜建設 <1885> 、福田組 <1899> を例に挙げ、年後半は建設株が上昇しやすい季節性も指摘。欧州混乱になっても日本国内で景気刺激策が大きくなる可能性の材料性も睨んでいるようだ。市場では、選挙シーズンは地方の建設株が値上がりしやすい傾向があり注目する向きが多いようだ。

■東レ <3402>  931.2円 (+15.2円、+1.7%)

 東レ <3402> が反発。大和証券は、同社から6月21日に発表された、エアバス社向け炭素繊維プリプレグの供給開始をポジティブに評価するとのリポートをリリース。17年3月期の営業利益は1650億円(前期比7%増)を予想(為替前提は1ドル=110円)、円高を主因に同証券の予想を微調整したものの、CF事業を牽引役とした中長期的な成長シナリオはより確かなものとなってきていると指摘。投資判断「2」(アウトパフォーム)、目標株価1130円を継続している。

■ソフトバンクグループ <9984>  6,076円 (+82円、+1.4%)

 ソフトバンクグループ <9984> が4日続伸。同社は22日引け後、代表取締役副社長であったニケシュ・アローラ氏が退任したことを受け、現取締役でソフトバンクの代表取締役社長兼CEOを務める宮内謙氏が代表権のある取締役副社長に就任し、代表取締役社長の孫正義氏の役職に変更がないことも発表した。また、23日はマッコーリー証券がレーティング「アウトパフォーム」を継続し、目標株価を8200円から8300円に引き上げたほか、国内大手証券でもレーティング「バイ」を継続、目標株価を8380円から8470円に引き上げている。

■タカラバイオ <4974>  1,334円 (+18円、+1.4%)

 タカラバイオ <4974> が反発。同社は遺伝子研究用試薬などを手掛けるが、ゲノム編集や再生医療分野へも積極的に取り組んでおり、京都大学iPS細胞研究所との連携も厚い。22日、ヒトiPS細胞から作製した研究用心筋細胞製品の販売を国内で開始すると発表、これを材料視する買いを誘った。相場全般は英国EU離脱を巡る国民投票を前に、主力株は手掛けにくく、海外情勢や為替の影響を受けにくい内需のバイオ関連には相対的に買いが集まりやすい強みもある。

■富士フイルム <4901>  4,165円 (+55円、+1.3%)

 富士フイルムホールディングス <4901> が反発。そのなか同社は22日、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」に関する特許ライセンス契約を中国大手製薬会社と締結したことを発表。また返す刀で23日には、同社子会社でiPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニーである米CDI社が、米国国立眼科研究所と加齢黄斑変性の治療に関する共同研究開発契約を締結したと発表。矢継ぎ早の材料出現で株価に追い風材料となった。

■東ソー <4042>  543円 (+7円、+1.3%)

 東ソー <4042> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券はリポートで、従来は堅実な増益が期待できる数少ない銘柄と位置付けていたが、円高進行により17年3月期の営業増益のハードルは高くなったと考えるものの、セクター内では減益幅は僅少で、比較的堅調な収益が続く見方には変わりないと指摘。PERなどバリュエーション指標が総合化学他社比で割安であることも相対的には魅力であるほか、免疫診断機器分野では大型機で大手他社と競合するものの、中小型機では同社が一定のプレゼンスを持っていると解説。目標株価は690円から670円へ引き下げているものの、レーティングは「オーバーウエイト」を継続している。

※23日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。


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