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【特集】日本M&A Research Memo(1):中小企業の後継者難が追い風に

日本M&A <日足> 「株探」多機能チャートより

日本M&Aセンター<2127>は、全国規模で中堅・中小企業の友好的M&A仲介をサポートする、M&Aにおけるリーディングカンパニー。主力であるM&A仲介のほか、企業再生支援、再編支援、MBO支援などの事業も展開中だ。2006年にM&A仲介会社として初となる上場を果たし、東証1部上場の信用力のほか、国内で最大級となるM&Aネットワークを武器に成長路線を歩んでいる。

産業界におけるM&Aに対するニーズは衰える気配がまったくない。産業構造の変化に伴い業界再編の動きが活発化する一方で、中小企業の後継者難の深刻化や、全国で潜在的に事業は順調ながらも後継者不在によって企業売却のニーズが強くなっているためだ。今後もM&Aに関するビジネスは拡大が見込まれている。

こうしたことを背景に2017年3月期の業績予想は、売上高が前年比14.2%増の16,880百万円、経常利益は同12.4%増の8,000百万円と7期連続で最高益を更新する見通し。紹介ルートの多様化によって、着実に譲渡案件が拡大すると想定されている。

■Check Point
・16/3期はM&A仲介ビジネスが好調に推移し、6期連続で最高益更新
・ASEAN地域を中心とした海外でのビジネスに注目
・17/3期も過去最高益を更新する見通し

2016年3月期は、引き続きM&A仲介ビジネスが好調であったことから、売上高は前年同期比20.9%増の14,778百万円、営業利益が同14.8%増の7,002百万円、経常利益が同12.8%増の7,116百万円、当期純利益が同22.5%増の4,840百万円と好調に推移。期初予想との対比では、6期連続で実績が上回る結果となった。

成約件数は420件に達し、2014年3月期の256件、2015年3月期の338件との比較で高い伸びを記録している。譲渡案件の受託残高は、この3月末現在で560件、今年1月~3月の3ヶ月で30件増加するなど、M&Aの潜在需要が多いことを実証した格好だ。1件当たりのM&A売上高は3460万円と前年の3550万円との比較で低下しながらも、数量の増加が顕著であるため、この点が不安材料となることはない。

一方、業種に関しては、幅広くすべてをカバーできるように対応している。調剤薬局、人材派遣業など再編が活発化している業界の案件が目を引くものの、これは“再編の波”というビジネスチャンスを的確に捉えている証だ。限られた業種、分野に特化している訳ではなく、譲渡企業、譲受企業ともに、農業、医療法人、建設、運送、広告、アミューズメント、印刷、学習塾等々、業種、事業内容はバラエティに富んでいる。

同社は、業績連動型有償・ストック・オプションを発行しており、オプションの行使可能割合とリンクする達成利益が中期経営目標を示す。例えば、2019年3月期に年間の経常利益が100億円を達成した場合、割当分の40%を行使可としている。つまり、行使条件がそのまま事実上の経営目標になる訳だが、ストック・オプションと絡ませるあたり、会社側の自信の表れとみていいだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)

《HN》

 提供:フィスコ

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