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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~英国民投票への警戒感強く長期的な資金流入は期待しづらい

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

21日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:英国民投票に向けた警戒感強く長期的な資金流入は期待しづらい
■外資系証券の注文動向:差し引き430万株の買い越し
■前場の注目材料:ストライク、AWSHDが新規上場



■英国民投票に向けた警戒感強く長期的な資金流入は期待しづらい

21日の日本株市場はこう着感の強い相場展開になりそうだ。20日の米国市場は上昇。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る最新の世論調査で残留支持が優勢となった事が好感された。ただし、シカゴ日経225先物清算値は大阪比110円安の15810円と冴えない。円相場は1ドル103円台での推移となり、円高も重しになりそうだ。

結果的には日経平均は前日に一時16000円を回復しているが、この段階で週明けの欧米市場の上昇は織り込んだ格好のようだ。週明けの日経平均は365円高と大幅に続伸したが、売買代金は2兆円を下回っており、参加者が限られるなかで、インデックス売買に振らされた感はある。

英国のEU離脱懸念は和らいだ格好だが、23日の国民投票に向けた警戒感は強いだろう。また、イタリアではユーロに懐疑的な野党候補がローマ市長に当選した。また、26日にはスペインで総選挙が実施される。最近の世論調査では国民党は過半数に届かず、第2党に反EU派の急進左派のポデモスが浮上している。今回の英国の問題が火種となり、他国へのEU離脱を窺わせる動きが警戒されてくる可能性などもあり、長期的な資金流入は期待しづらい。

その為、物色の流れとしては短期筋の資金を中心とした日替わり物色になりそうだ。新興市場の中小型株などは資金の逃げ足も速いため、次第に様子見ムードが強まる可能性もありそうだ。相対的に出遅れている銘柄やセクターへの見直しが中心になりそうだ。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き430万株の買い越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1300万株、買い1730万株、差し引き430万株の買い越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。


6月14日(火):320万株の買い越し
6月15日(水):120万株の買い越し
6月16日(木):100万株の売り越し
6月17日(金):60万株の買い越し
6月20日(月):280万株の買い越し



■前場の注目材料

・NYダウは上昇(17804.87、+129.71)・NY原油(49.37、+1.39)
・英国民投票、残留派に勢いの見方
・2015年度の個人株主の増加数最大
・ファナック、産業用ロボ生産倍増検討
・5月百貨店売上高5.1%減
・非正規労働者の賃上げの動き広がる

・ストライク<6196>が東証マザーズに新規上場
・AWSHD<3937>が東証マザーズに新規上場



☆前場のイベントスケジュール


<国内>
・08:50 日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(4月27・28日分)


<海外>
・特になし

《WA》

 提供:フィスコ

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