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2016年06月20日16時16分

【特集】TOKAI Research Memo(6):情報・通信が増収をけん引、ガス・石油を除くすべての事業で増収目指す

TOKAI <日足> 「株探」多機能チャートより

■今後の見通し

(2)事業セグメント別見通し

○ガス・石油事業
TOKAIホールディングス<3167>のガス・石油事業の売上高は前期比6.0%減の759億円、営業利益はほぼ前期並みを見込んでいる。顧客件数は前期末比16.2千件増と拡大ペースを加速する。既存営業エリアでの顧客獲得に加えて、営業エリアを拡大していくことで新規顧客を増やしていく考えだ。前期は愛知県や、宮城県など南東北エリアへの進出を開始したが、今期は加えて三重県、岐阜県にもエリアを拡大していく。

顧客数が拡大する一方で、料金値下げの影響が残るため、売上高は減収を見込んでいる。ただ、仕入原価も引き続き低減していることから、利益ベースでは横ばい水準を見込んでいる。前提となるCP価格は370ドル/トン(為替119円/トン)で、円換算での下落率は約8%となる。なお、5月のCP価格は325ドル/トンで、為替も109円/ドル前後と前提を下回る水準となっていることから、利益面で上振れする可能性は大きいと弊社では見ている。

なお、新規エリアでの営業活動強化に伴い、マーケティング費用や人件費で約5億円の費用増要因となるが、業務効率の向上など間接コストの抑制を進めていくことで相殺できると見られる。

LPガス業界では中小事業者が多いが、今後は大手事業者の寡占化が進むものと予想される。通信や電力など生活インフラサービスの販売自由化が進み、セット販売による顧客獲得競争が今後激化していくなかで、中小事業者は価格競争力の面から淘汰されていくと考えられるためだ。このため同社でもグループのCATV会社が営業エリアとしている長野県や岡山県にも来期以降、進出する計画となっている。

2021年3月期には新規顧客獲得件数のうち、新規営業エリアでの獲得比率を3割程度にまで引き上げていく。同時に、既存営業エリア内でのシェア拡大も進めていく方針で、ガス事業全体の顧客件数で見ると、2021年3月期に800千件まで拡大していく計画だ。このうち、新規エリアの顧客数で70千件の獲得を目標としている。

ガス事業についてはここ数年、顧客件数が伸び悩んでいたが、今後は顧客件数の拡大により、成長事業に転換していくものと予想される。

○情報・通信事業
情報・通信事業の売上高は前期比17.1%増の518億円、営業利益は同19億円増の42億円が見込まれる。売上高の増収要因の大半は光コラボ関連の顧客件数増加によるもので、営業利益についても23億円の増益要因となる。光コラボの顧客件数は今期末で転用が前期末比74千件増の234千件、新規が同64千件増の123千件、合計で138千件増の357千件を計画している。月平均の顧客獲得ペースは前期の17.9千件/月から11.5千件/月と保守的に見積もっており、計画の達成は十分可能な水準と言える。

光コラボ関連サービスの黒字化時期は2018年3月期となる見通しで、顧客件数が439千件まで拡大すれば、営業利益は7億円程度が見込まれる。その他、企業向けデータ通信サービスは今期も良好な市場環境が続くことから、10%台の増収増益が続くと弊社では見ている。

○アクア事業
アクア事業の売上高は前期比6.4%増、前期11億円の営業損失から黒字転換を見込んでいる。顧客件数は前期末比で4.9千件の増加を見込んでいる。宅配水市場全体の伸びが鈍化傾向にあるなかで、同社の顧客拡大ペースも同様に鈍化してきたことから、今期は黒字化に向け営業戦略の見直しを行っていく。

具体的には、前期まで顧客獲得のため関西、北陸、東北など地方主要都市に営業エリアを拡大し、積極的に顧客獲得フェアを開催してきたが、1件当たりの平均顧客獲得コストが上昇し、費用回収期間が長期化していた。このため、今期より顧客獲得効率の高いエリアにターゲットを絞って販促活動を実施していく方針に改め、人員体制の見直しも進めていく。販促フェアも前期は年間で8,800回開催したが、今期は6,600回と25%削減する予定だ。

営業利益の増減要因で見ると、顧客件数の拡大に伴う販売本数の増加で3億円、顧客獲得手数料の効率化で4億円、営業体制の効率化で4.3億円の増益要因となる計算だ。このため、今期はいかに効率良く顧客数を増やせるかが、計画達成のポイントとなる。

○CATV事業
CATV事業の売上高は前期比3.1%増の254億円、営業利益は同4億円増の24億円と増収増益が続く見通し。顧客件数は前期末比20.6千件増の730千件を見込んでいる。引き続き、セット割引等の販促施策や、集合住宅向けバルク販売、解約防止などに注力していくことで顧客数の拡大に取り組んでいく。増収効果に加えて、設備投資の一巡により減価償却費の減少が続くことも増益要因となる。

○建築・不動産事業
建築・不動産事業の売上高は前期比7.2%増の225億円、営業利益は同2億円増の15億円を見込んでいる。機器工事や住宅販売、リフォーム事業などの売上高が伸びる見通しとなっている。

○その他・調整額
その他・調整額の売上高は前期比16.9%増の57億円、営業損失は6億円縮小の46億円を見込んでいる。このうち、介護事業は施設の稼働率上昇により大幅増収を見込んでおり、営業利益では初の黒字化を目指している。また、婚礼事業も閉館によるマイナスの影響が一巡し、今期は既存会館の稼働率上昇で増収増益を見込む。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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