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【注目】前週末17日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

京セラ <日足> 「株探」多機能チャートより

■京セラ <6971>  5,039円 (+97円、+2.0%)

 SMBC日興証券が16日付で京セラ <6971> の投資判断「2(中立)」を継続し、目標株価を5650円→6100円に引き上げたことが買い材料視された。リポートでは、17年3月期はハイエンドスマホの成長鈍化で営業利益が会社計画未達と予想するが、18年3月期以降は既存事業での緩やかな成長が続くと報告。新たに追加した19年3月期の営業利益予想は前期予想比13.7%増の1400億円に拡大を見込む。また、現株価はKDDI株を継続保有した水準にあり、PBRも1倍を割り込んでいることから、これ以上の下落は考えにくいと指摘している。

■国際石油開発帝石 <1605>  813.7円 (+15円、+1.9%)

 国際石油開発帝石 <1605> が反発。16日、株価は4月中旬以来、約2カ月ぶりに800円割れの水準に売られたことから、17日は全般相場が反発するなか値ごろ感からの買いも流入したようだ。ただ、16日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近7月物が前日比1.80ドル安の1バレル=46.21ドルに下落した。時間外取引では45.80ドル台と約1カ月ぶりの水準に値を下げた。英国が欧州連合(EU)を離脱した場合、欧州経済が低迷し原油需要が落ち込むことなどが懸念されている。

■住友商事 <8053>  1,007円 (+17.5円、+1.8%)

 住友商事 <8053> が3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券はリポートで、他社より相対的に減損に出尽し感がないと指摘。Ambatovyニッケル事業など中心に追加減損リスクが存在することや、同社がSherrittを資金的に援助しなければならないリスクに加え、修正した中計で掲げたFCF計画+7000億円の進捗が悪ければ、クレジット側からの減配も含めた圧力を再び受ける可能性がある、などと解説。目標株価を1150円から1100円へ引き下げ、レーティングは「ニュートラル」を継続している。

■アイシン精機 <7259>  4,125円 (+70円、+1.7%)

 アイシン精機 <7259> が反発。16日付で岡三証券がレーティングを新規「強気」、目標株価を5230円でカバレッジを開始した。中期的にはATの販売台数の増加などから成長が続くとし、17年3月期を通期連結営業利益で会社側計画の1750億円(前期1764億3500万円)に対して1815億円、18年3月期を2025億円と予想している。

■キーエンス <6861>  67,440円 (+1,050円、+1.6%)

 キーエンス <6861> が反発。クレディ・スイス証券はリポートで、新たな成長市場を見極める高い嗅覚とニーズを製品化する高い製品開発・実現力は、営業利益率53%を創出、世界最強のFA企業といっても過言ではないと指摘。ただ、投資資金の「質への回帰」が割高な株価バリュエーションに繋がっていると考えられ、FA関連におけるコア銘柄の位置付けは不変だが、株価上昇余地は限定的であり、投資評価は「ニュートラル」を継続。業績予想を見直し、目標株価算出のベースとなる決算期を17年3月期から18年3月期へ変更し、目標株価を5万5000円から6万5500円へ引き上げている。

■あおぞら銀行 <8304>  355円 (+5円、+1.4%)

 あおぞら銀行 <8304> が反発。大和証券がリリースしたリポートによると、銀行サイドの安定配当を重視する姿勢が窺われる中、5%を上回る予想配当利回りに投資妙味は大きいと指摘。日銀マイナス金利導入のダメージも小さく、金融緩和局面でも下値不安は限定的(ディフェンシブ性が強い)と解説。投資判断は「2」(アウトパフォーム)を継続、目標株価は460円から410円へ引き下げている。同証券ではまた、PBR面では割安感が乏しいことに加え、税軽減効果が逓減する17年度以降の業績予想の確度・透明性の見劣り感もあり、他大手銀行対比での高い配当利回りは続くとの見解を示している。

■西松建設 <1820>  431円 (+6円、+1.4%)

 西松建設 <1820> が堅調。東海東京調査センターが16日付で投資判断「アウトパフォーム」を継続し、目標株価を700円としており、時価とのカイ離が大きいことから、これを好材料視した買いが入ったようだ。同センターでは、国内の工事採算の改善が会社見込みを上回ると予想しており、17年3月期の経常利益を前期比35.7%増の221億円と、会社計画の165億円を大きく上回ると予想している。

■エーザイ <4523>  5,785円 (+78円、+1.4%)

 エーザイ <4523> が反発。16日の取引終了後、第1四半期業績において一時収益(割安購入益)を計上すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。4月に味の素 <2802> 100%子会社の味の素製薬を吸収分割承継会社とし、エーザイを吸収分割会社とする吸収分割でEAファーマが発足したが、識別可能資産および負債の公正価値より安く取得したことから、負ののれんに相当する割安購入益92億8300万円をその他の収益に計上する見込みだという。なお、17年3月期業績への影響は現在精査中としている。

■安川電機 <6506>  1,308円 (+17円、+1.3%)

 クレディ・スイス証券の機械セクター(FA関連)のリポートでは、機械株の先行指標はCRBで、FA各社の株価先行指標は主要4機種受注合計と指摘。両者の前年比伸び率のスプレッドを見ると、FA関連はネガティブな局面に転じそうとみて、季節的に各社株価は9月辺りまで弱含みそうと解説。銘柄選好順位を、安川電機 <6506> >SMC <6273> >キーエンス <6861> >THK <6481> >ナブテスコ <6268> の順に設定している。

■ニチアス <5393>  776円 (+10円、+1.3%)

 ニチアス <5393> が5日ぶりに反発。5月10日に好業績発表を受けてマドを開けて買われたが、6月相場入りを境に全体相場に流され調整局面入りを余儀なくされた。ただ、PER10倍前後と割安感があり、マド埋めを待たずして切り返しに転じた。耐熱技術を生かしシール材や断熱材など工業製品の生産や、プラント工事を手掛け、17年3月期は建材事業の損益改善などが寄与して営業利益段階で連続ピーク利益更新を見込む。株主還元への意識も高く自社株買いに積極的。09年3月期に復配した後、今期計画を含め8期連続の増配で配当利回りは2.8%強と高い。政府が国策として注力するプラントなどのインフラ輸出でも、産業用ロックウールを生産する同社の商機拡大が期待される。

■ディスコ <6146>  9,550円 (+120円、+1.3%)

 ディスコ <6146> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、精密加工ツールなど消耗品販売を中心とする安定的な収益構造や積極的かつ合理的な株主還元姿勢は高く評価できるものの、スマホ市場の成長鈍化や日系電子部品企業の設備投資減速などにより精密加工装置の引き合いは低調と指摘。今後、中国の半導体/電子部品企業からの精密加工装置の受注がどの程度伸びてくるかが注目ポイントとみて、レーティング「ニュートラル」を継続。目標株価を9440円から9100円に引き下げている。

■豊田合成 <7282>  1,918円 (+22円、+1.2%)

 豊田合成 <7282> が反発。TIWでは、円高や液晶バックライト向け低調などから目先は厳しいと指摘。17年3月期営業利益は会社計画の360億円を上回る370億円と予想するも、会社側が減配を予想している事に加え、市場で円の先高観が強いため、レーティングを「2+」から「2」に引き下げている。

■ニフコ <7988>  5,340円 (+60円、+1.1%)

 ニフコ <7988> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、多くの部品メーカーが減益ガイダンスを発表するなど厳しい事業環境の中、同社は堅調に増益を確保すると予想。市場環境が不透明な現状では、同社のような独自の強みを背景とした増益確度の高い銘柄の評価が今まで以上に高まる可能性があるとみて、レーティング「オーバーウエイト」と目標株価6200円を継続している。

■新日鉄住金 <5401>  1,928.5円 (+21.5円、+1.1%)

 新日鉄住金 <5401> 、ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> など鉄鋼株が切り返しに転じている。アジア鋼材市況下落や在庫調整の影響などが収益の重荷となっているが、17年3月期は粗鋼生産の回復や在庫評価損も一巡し利益回復局面に向かうことが予想されている。懸念されていたアジア鋼材市況も「足もとは上昇の兆しがみえてきた」(中堅証券業界担当アナリスト)との指摘も出ており、底値買いの動きを誘発している。

※17日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。


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