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【市況】米国株式市場見通し:英国民投票に注目


23日に実施される英国の欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票が最大の注目点となる。幾つかの世論調査では離脱と残留の支持は概ね拮抗しているが、残留派の議員が銃殺されるなど、緊張が広がっている。英国はユーロを法定通貨として採用しておらず、またEU域内での査証なし渡航を認めるシェンゲン協定も締結していない。また、EUを離脱してもスイスのように欧州諸国と自由貿易協定を改めて締結することで、EU加盟時と同等の関税面でのメリットを享受できる可能性が高い。特に社会保障・福祉や移民問題への懸念から、高齢者ほどEU離脱に傾いているとの指摘もあり、国民投票の結果、EU離脱が支持されるシナリオも十分に想定しておく必要があるだろう。

FOMC(連邦公開市場委員会)で、イエレンFRB議長は企業投資や雇用の伸びの鈍化、インフレ期待の下降傾向への不安から、利上げに慎重な姿勢を示した。FF金利の先物取引から算出される利上げ確率は7月まで6%、9月まで21%、12月までは38%(17日時点)と年内利上げの可能性は大きく後退している。年内の利上げを1回と予想する当局者も増えており、21-22日に開催されるイエレン議長の議会証言では、今後の利上げに対してどのような見方を示すかが注目される。

経済指標では、4月FHFA住宅価格指数(22日)や5月中古住宅販売件数(22日)、5月新築住宅販売件数(23日)などの住宅関連指標に加えて、5月耐久財受注(24日)や5月製造業受注(24日)などが予定されている。先週、住宅建設業者の景況感を示すNAHB住宅市場指数が5ヵ月ぶりの高水準となったほか、今後6ヶ月の販売見通しも昨年10月以来の高水準となり住宅建設銘柄が上昇したことから、引き続き住宅関連指標に注目が集まる。

個別企業では、住宅メーカーのレナー(21日)、運送会社のフェデックス(21日)、グラフィックソフトのアドビ・システムズ(21日)、クルーズ客船運航のカーニバル・コーポレーション(21日)、家庭用品小売のベッド・バス&ビヨンド(22日)、食品メーカーのコナグラ・フーズ(23日)などの決算発表が予定されている。カーニバル・コーポレーションはキューバ政府からクルーズ船運航の承認を受け、5月に米国-キューバの運航が初めて実施されたことから、事業拡大が予想される。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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