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2016年06月17日17時49分

【特集】エネクス Research Memo(7):外部環境の変化に対応できる事業ポートフォリオの拡充

エネクス <日足> 「株探」多機能チャートより

■事業部門別動向の詳細

(4)エネルギーイノベーション部門

a)事業の概要と成長戦略
伊藤忠エネクス<8133>のエネルギーイノベーション部門は産業向け事業の集合体で様々な事業が含まれている。それらは大まかに、船舶燃料販売や需給調整などの石油トレード事業、アスファルト事業、産業用燃料(重油等)販売事業、新規事業などに分けることが出来る。

アスファルト事業は国内シェア20%超を有し利益貢献度も高い事業とみられる。ここ数年は需要の減少が続いており本来の収益力を発揮できていない。中長期的には道路インフラの更新需要などで、同部門の収益のベースを作っていくものと期待している。

石油トレード事業や産業用燃料販売事業も、同部門の安定した収益基盤を形作る存在だ。原油価格変動の影響を受けやすい側面に加え、非効率な取引を絞り込んでいるため、売上高という点では大幅減収要因となっているが、利益面では安定している。市況上昇・下落のいずれの局面でも利益を獲得する機会があるという点が強みだと考えている。

同部門については、現中期経営計画の中で「外部環境の変化に対応できる事業ポートフォリオの拡充」がテーマとして掲げられている。そこで期待されているのが新規事業であり、ここ数年立ち上がりつつあるのはスロップ・再生油事業やフライアッシュ(石炭灰)事業などがある。これらに続いてどのような新規事業が立ち上がってくるは注目点の1つだ。また、同社は法人取引先3,500社、アスファルト基地12ヶ所、アドブルー基地20ヶ所、タンクターミナル3ヶ所などの物流拠点を全国に有している。これらのアセットをどのように活用するかについても注目している。

b) 2017年3月期見通し
2017年3月期のセグメント業績は、売上高371,300百万円(前期比6.9%減)、営業利益3,800百万円(同0.7%増)が予想されている。

エネルギーイノベーション部門では、非効率取引の見直しを進めていることもあり、売上高の変動は実態を表していないと弊社では考えている。原油市況や各製品の実需といった側面から考えると、2017年3月期は、数量面が前期比横ばい、価格が上昇となり、実質的に増収というのが実態ではないかと考えている。

利益面では会社予想は横ばいとなっているが、妥当な予想という印象だ。利益がマージン×数量で表現される収益構造において、マージンは基本的には変動が少なく、今期は量的拡大を見込んでいなければ、利益も横ばい予想に落ち着くということだ。変動要因としてはアスファルトを考えている。国政選挙や災害復興などの要因が公共投資にどのような影響を及ぼすかに注目している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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