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【市況】円の先高感は根強く自律反発意識しつつも逃げ足速い/オープニングコメント

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

 17日の日本株市場は、買い先行で始まった後はこう着感の強い相場展開になりそうだ。16日の米国市場は反発した。日銀による政策金利の据え置きや、英国のEU離脱問題への警戒、原油相場の下落などから売りが先行したが、引けにかけて自律反発の流れが強まった。これを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比195円高の15565円となり、朝方はこれにさや寄せする格好から、買い先行で始まりそうだ。

 日経平均は足元で下落基調が強まり、6月9日から1400円近く下げている。心理的な節目の16000円を週初に割り込み、昨日は15500円を下回っている。目先的な底打ちは見極めづらいものの、自律反発の流れが出てきてもおかしくないところであろう。また、英国のEU離脱を巡る国民投票まで1週間を切っており、積極的な参加者は限られているものの、織り込みからアク抜けを意識した流れも次第に出てくる可能性はありそうだ。

 もっとも、米国は上昇に転じてはいるものの、円先高感が根強いことから、連動性はなさそうだ。昨日の日銀の金融政策決定会合後の黒田総裁会見を受けて円が全面高となり、一時1ドル103円台に突入している。1ドル100円割れが意識されるなか、売り方の仕掛け的な動きも警戒されるところであろう。

 英国ではEU残留支持の女性議員が銃撃され死亡したと報じられている。不安感が強まる中でオーバーウィークのポジションは取れないだろう。また、個人主体の中小型株についてもさすがに前日の下げでセンチメントは悪化している。自律反発を意識しつつも、動きが鈍る局面での資金の逃げ足は速そうだ。
《AK》

 提供:フィスコ

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