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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~売り一巡後は先回り筋の買戻しも意識

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

16日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・売り一巡後は先回り筋の買戻しも意識
・ドル・円は104円79銭付近、ドル105円割れ、2014年9月以来
・三菱地所、ソフトバンクGなど5社の目標株価変更



■売り一巡後は先回り筋の買戻しも意識

日経平均は反落。174.78円安の15744.80円(出来高概算8億1000万株)で前場の取引を終えている。米利上げ観測の後退もあって、円相場は1ドル105円台で推移しており、円高が重石になる格好から売りが先行して始まった。その後15900円を回復してくる場面もみられたが、16000円に接近では戻り待ちの売り圧力も強い。

その後しばらくはこう着が続いていたが、為替市場では円高基調が強まっているほか、日銀の金融政策決定会合では現状維持が見込まれるなか、ポジション圧縮の流れに向かっている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が全体の8割を占めている。セクターでは、ゴム製品、水産農林、非鉄金属、医薬品、ガラス土石、機械、精密機器、化学、輸送用機器、電気機器の弱さが目立つ。

日経平均は一時200円を超える下落幅となるなど、下値切り下げのトレンドが継続している。日銀会合の結果次第とはいえ、英国のEU離脱問題を巡る国民投票を1週間後に控えているなかで、好反応は期待しづらいところである。主力処がインデックスに絡んだ商いで下げ幅を拡大させるなか、これを嫌気する形で個人主体の中小型株なども下げ幅を拡大させる悪循環となっている。

もっとも先回り的に売られたこともあり、日銀の現状維持を受けて、売り一巡後からの下げ渋りも意識されてくるとみられる。堅調な値動きをみせているソフトバンクグ<9984>、ファーストリテ<9983>などへの押し目拾いも意識されそうだ。


(株式部長 村瀬智一)



■ドル・円は104円79銭付近、ドル105円割れ、2014年9月以来


16日午前の東京外為市場では、ドル・円は105円を割り込んだ。日銀の金融政策決定会合で追加金融緩和が先送りされたことを受けた値動き。

日銀は2日間の金融政策決定会合で、現行の金融政策維持を賛成多数で決定した。これを受け、リスクオフの円買いに振れているもよう。ドル・円は104円53銭まで下落。2014年9月以来の安値水準。

ただ、日銀の緩和先送りは想定内だったほか、ランチタイムの日経平均先物は下げ止まっていることから、ドルの下値警戒感は強まっているもののドル売り・円買いはいったん収束した可能性はあろう。

ここまではドル・円は104円53銭から106円03銭、ユーロ・ドルは1.1256ドルから1.1285ドル、ユーロ・円は117円85銭から119円44銭で推移。

12時10分時点のドル・円は104円79銭、ユーロ・円は118円09銭、ポンド・円は148円70銭、豪ドル・円は77円52銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・値下がり寄与トップは日東電<6988>、同2位はTDK<6762>
・三菱地所<8802>、ソフトバンクG<9984>など5社の目標株価変更
・菅官房長官「為替の投機的な動きが継続することを、緊張感もって注視し、必要なら対応する」
・日銀見解:日本銀行は、物価安定のため必要な場合には3次元で追加緩和措置を講じるとの見解


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・日銀金融政策決定会合(最終日)(マイナス金利付き量的・質的金融緩和政策維持へ)


<海外>
・特になし

《WA》

 提供:フィスコ

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