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【特集】ワコム Research Memo(9):教育用タブレット分野を成長戦略として掲げる

ワコム <日足> 「株探」多機能チャートより

■戦略経営計画SBP-2019

(4)テクノロジーソリューション事業の成長戦略

テクノロジーソリューション事業の成長戦略は、顧客の事業環境変化に対応して前中期経営計画から変化がみられる。まず、すべてのモバイルカテゴリーでリーダーシップを確立することを目指し、その具体的な手段として、EMR、AES、WILLといった競争力のある技術を各市場セグメントでフル活用する方針だ。

また、新たな注力市場として教育用タブレット分野に言及しているほか、コンシューマ向けのデジタル文房具市場創出や新規カスタマーの獲得も成長戦略に新たに加わった。これらの意味するところは、幅広く積極的にパートナーづくりに取り組むことと、より低価格品の拡充にあると弊社では理解している。自動化生産技術を導入してコストダウンを図ることが盛り込まれたことは、その証拠といえよう。

ワコム<6727>は今中期経営計画におけるテクノロジーソリューション事業の業績目標を、2019年3月期に売上高43,700百万円、営業利益5,790百万円としている。4年間の年平均成長率(CAGR)はそれぞれ、9.6%、5.7%だ。CAGRがブランド製品事業と比較して低くなっているのは、テクノロジーソリューション事業の本質として、同社自身の努力だけでは手が届かない要素が大きいことを考慮し、より現実的な業績計画としたためと弊社では推察している。営業利益率が、2015年3月期の15.3%から2019年3月期には13.2%に低下すると予想している点が興味深い。これは、2015年3月期と比べて、タブレット向けの電子ペンの売り上げ構成比が高まるためと考えられる。この点でも現実的な計画となっていることが読み取れる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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