【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):Jディスプレ、新日鉄住金、住友鉱、野村
Jディスプレ <日足> 「株探」多機能チャートより
ジャパンディスプレイ<6740>は3日続落。岩井コスモ証券は10日、同社株の投資判断を「A」から「B+」に見直した。目標株価は565円から240円に引き下げた。主要顧客の米アップル社がiPhoneの表示パネルに有機EL採用を決めたと報道されており、同社の事業環境が大きく変化する可能性があり対応を急ぐ必要に迫られている。同社は高精細LCDでは技術的優位性を保持しているが、有機ELに関しては「韓国サムスンなど競合他社に比べ量産について後塵を拝しているのは事実」と指摘。もっとも18年度半ばに前倒しで量産を開始できれば、遅れを取り戻すチャンスはあるともみている。
■新日鐵住金 <5401> 1,956.5円 -99 円 (-4.8%) 本日終値
新日鉄住金<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>など鉄鋼株への売りがかさんだ。目先は英国のEU離脱懸念などが世界株安の背景にあるが、一方で中国をはじめアジア景気減速に対する市場の警戒感も強い。鉄鋼セクターは、アジア鋼材市況の下落や在庫調整の影響が、原料価格の低下メリットを打ち消す格好となっている。また、信用取組についても新日鉄住金やJFEは信用売り残を買い残が大きく上回るなど需給面からも上値の重さが意識される。
■住友金属鉱山 <5713> 1,067円 -54 円 (-4.8%) 本日終値
住友金属鉱山<5713>が大幅続落。大和証券はリポートで、為替前提の円高方向への見直しや菱刈およびポゴ鉱山の生産・販売金量の前提引き下げなどに伴い、17年3月期の経常利益予想を466億円(従来588億円)へ下方修正。引き続き、シエラゴルダ鉱山の動向が住友金属鉱山の期間損益および自己資本の毀損リスクを想定する上での大きなポイントとなる他、JCOに関連する追加損失計上リスクにも留意すべきと解説。投資判断は「3」(中立)を継続。目標株価は1050円から970円へ引き下げている。
■野村ホールディングス <8604> 415円 -19.9 円 (-4.6%) 本日終値
野村ホールディングス<8604>、大和証券グループ本社<8601>など大手をはじめ証券セクターが大幅に売りに押された。英国のEU 離脱を懸念するムードがにわかに高まったことで、世界的なリスク回避の流れが形成されている。日経平均は1万6200円台まで値を下げ、再び1万6000円大台攻防も意識される場面だが、市場エネルギーの不足で押し目買いもままならない状況だ。そのなか、証券セクターは手数料収入の減少や投信など運用成績の悪化を懸念した売りがかさむ展開を強いられている。
■任天堂 <7974> 15,355円 -710 円 (-4.4%) 本日終値
任天堂<7974>が大幅に3日続落。国内大手証券では、同社がWiiUの問題点を十分に分析した上で、NXの企画、開発に取り組んでいると考え、同機が据え置き型の価格設定であっても、WiiU並みの販売台数に留まる「悲観シナリオ」の可能性は限定的ではないかとみるとのリポートをリリース。レーティングは「ニュートラル」を継続。目標株価は1万5400円から1万5200円へ引き下げている。
■三菱UFJ <8306> 504.7円 -22.9 円 (-4.3%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクへの売りが目立つ。売買代金についても上位に食い込みマーケットの注目度の高さを映している。英国のEU離脱懸念の高まりは金融市場に波乱を及ぼす可能性があり、銀行セクターは買いが手控えられている。また、市場では「アベノミクスへの期待感の後退を背景に期待インフレ率が低下するなか、債券利回りも下落基調をたどっており、内需不振は銀行にとっても収益機会の減少につながっていく」(準大手証券)という見方も出ている。メガバンクは個人株主も多く、個人投資家の信用余力の減少につながることも全体の地合い悪化につながりやすい。
■エン・ジャパン <4849> 1,972円 -84 円 (-4.1%) 本日終値
エン・ジャパン<4849>が3日ぶりに急反落。SMBC日興証券がリポートをリリース。転職求人サイト「エン転職」での高い応募効果や代理店網拡大による高成長でシェア拡大が続くとみており、人材紹介「エンエージェント」や派遣会社向けサイトの成長も相まって、17年3月期会社計画や18年3月期中期経営計画の目標値を上回る高成長が続くと考え、強気のスタンスを継続したいと解説。投資評価は「1」(アウトパフォーム)を継続。目標株価は2250円から2500円へ引き上げている。
■栗田工業 <6370> 2,377円 -100 円 (-4.0%) 本日終値
栗田工業<6370>が続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、ストックビジネス中心の安定した収益構造から緩やかな増益基調が続くとの見方に変更ないと指摘。17年3月期は、電子産業向け装置事業の超純水供給の契約満了影響や、国内電子産業顧客での生産調整の影響により業績モメンタムが鈍化するとみているものの、大きな業績悪化には至らないと解説。株価は堅調な業績を織り込み済みと考え、レーティング「ニュートラル」を継続、目標株価を2990円から2700円に引き下げている。
■王子ホールディングス <3861> 410円 -17 円 (-4.0%) 本日終値
王子ホールディングス<3861>が3日続落。大和証券はリポートで同社に対する営業利益を、17年3月期が前期比6%増の780億円(従来820億円)、18年3月期は同6%増の830億円(同860億円)としている。為替前提は会社計画と同じ110円/ドルとし、パルプ市況の前提引き下げを主因に従来予想を減額修正した一方、会社計画は古紙価格を中心に保守的であると指摘。同証券では、緩やかながらも反転の動きが見られるパルプ市況、一方で想定を下回る水準で足もと推移している古紙価格の動向を当面は注視したいと解説。投資判断は「2」(アウトパフォーム)を継続し、目標株価は500円から540円へ引き上げている。
●ストップ高銘柄
ジェネレーションパス <3195> 1,435円 +300 円 (+26.4%) ストップ高 本日終値
Hamee <3134> 2,129円 +400 円 (+23.1%) ストップ高 本日終値
日本ラッド <4736> 1,720円 +300 円 (+21.1%) ストップ高 本日終値
インスペック <6656> 609円 +100 円 (+19.7%) ストップ高 本日終値
日本テレホン <9425> 517円 +80 円 (+18.3%) ストップ高 本日終値
など、8銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース