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【経済】NYの視点:トランプ・ショックに備えたリスク回避の流れも和らぐ

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

7月の米利上げ予想が依然として根強い。5月の米雇用統計が政策当局者に衝撃を与えるほど予想を大きく下回ったことにより、14-15日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを予想する向きは皆無である。発表直後は年後半に先延ばしとの見方もあったにもかかわらず、大半のエコノミストがここにきて7月にも追加利上げを実施すると予想する向きが増えている(WSJ調査)。

6月予想が先月の30%から、6%程度に低下。一方で、7月予想は20%程度から50%を超えてきているようだ。イエレンFRB議長の声明で5月の雇用統計が「異常値」だったとの判断が示されるようだと、7月利上げ観測が一段と高まることになろう。足元でNYダウは節目の18000ドルを回復している。利上げへの思惑がくすぶるなか、これを織り込み、米国経済を楽観視する流れに見方を変えてきている。

また、大統領選の最新の世論調査では、共和党指名候補の不動産王ドナルド・トランプ氏の支持率が低下し、民主党のヒラリー・クリントン氏を下回った。トランプ氏が当選した場合の米国経済や政権運営に対する不透明感も強まっていたこともあり、一先ずトランプ・ショックに備えたリスク回避の流れも和らいだ格好か。

もっとも、今年最大のリスク要因とみられている欧州連合(EU)残留・離脱を問う英国の国民投票が23日に迫るなか、それまでは基本的にはリスク回避の流れが続きそうである。それ故に、7月利上げはタイミング的にもベストのようだ。

(村瀬智一)

《NO》

 提供:フィスコ

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