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【市況】新興市場見通し:中小型株物色が活発ななかホープなど4社IPO、LINE上場発表

マザーズ指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場は、日米の金融政策を巡る重要イベントや欧州連合(EU)残留・離脱を問う英国の国民投票などを前に主力大型株に手控えムードが広がるなか、中小型株への資金シフトが進み堅調な展開だった。全市場売買代金上位にマザーズ銘柄が複数ランクインする日もあり、中小型株の活況が目立った。ただ、短期資金主導で値動きの荒い銘柄も散見された。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.2%であったのに対して、マザーズ指数は+2.4%、日経ジャスダック平均は+0.6%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で0.9%高、サイバーダイン<7779>が同0.9%高、そーせいグループ<4565>が同変わらずだった。ミクシィが年初来高値を更新する場面もあったが、値動きの軽い中小型株に物色が向かいやすかった。活況となったブランジスタ<6176>は同24.0%高、アキュセラ<4589>は同74.1%高と大きく上昇した。アキュセラは大株主による保有株買い増しが観測された。後述するLINE<3938>上場を巡る報道でアドウェイズ<2489>など関連銘柄が乱高下する場面もあった。その他、マザーズではVR(仮想現実)関連のシリコンスタジオ<3907>、iPS細胞関連で一部証券会社の新規高評価が観測されたヘリオス<4593>、業務提携や「攻めのIT経営銘柄」選定が材料視されたHamee<3134>が急伸した。反面、sMedio<3913>、エディア<3935>が利益確定売りに押された。ジャスダック主力では、セプテーニ・HD<4293>が同7.7%高、セリア<2782>が同7.4%高と堅調だった。また、ジャスダックではAI(人工知能)関連の日本ラッド<4736>、LINE関連で信用規制解除も加わったアルファクス・フード・システム<3814>などが買われる一方、文教堂グループHD<9978>は前週急伸した反動で利益確定売り優勢だった。

今週の新興市場では、日本銀行・金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されているほか、英国民投票も迫り主力大型株の手掛けづらさが意識されるなか、引き続き中小型株に物色が向かいやすいだろう。約2ヶ月ぶりのIPOも刺激材料となりそうだ。ただ、マザーズ指数が直近高値水準である1200ptに迫る場面では、一段の上値追いに対する慎重姿勢が強まる可能性がある。

今週は6月13日にブラス<2424>、ジェネレーションパス<3195>、14日にSJI<2315>、菊池製作所<3444>、エニグモ<3665>、サンバイオ<4592>などが決算発表を予定している。エニグモの今期は利益水準が急回復する見通しとなっており、第1四半期決算が注目される。テーマ株物色も活発となり、6月下旬に開催される「3D&バーチャル リアリティ展」などからVR関連の強い値動きが続きそうだ。

IPO関連では、6月15日にホープ<6195>がマザーズ及び福証Q-Board、アトラエ<6194>がマザーズへ、16日に農業総合研究所<3541>がマザーズへ、17日にやまみ<2820>がジャスダックへそれぞれ新規上場する。マザーズ上場の3社はいずれも公開規模が小~中程度で、事業内容にテーマ性や新味もあることから事前の人気が高い。なお、先週はLINE(7月15日、東証1部または2部)の新規上場が発表されている。上場時時価総額5879億円(想定発行価格ベース)と今年最大級のIPOとなる見込み。高い知名度を背景に幅広い投資家層を呼び込めるか注目される。

《FA》

 提供:フィスコ

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