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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~シグナル悪化も輸出関連辺りの切り返しでSQ値捉えるか

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

10日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・シグナル悪化も輸出関連辺りの切り返しでSQ値捉えるか
・ドル・円は107円15銭付近、ドルもみあい、株価などをにらんだ展開
・資源関連の下げが目立つ



■シグナル悪化も輸出関連辺りの切り返しでSQ値捉えるか


日経平均は続落。81.70円安の16586.71円(出来高概算13億7000万株)で前場の取引を終えている。海外株安や円相場の下落が重石となり、売り優勢の展開となった。小幅に続落して始まり、その後はシカゴ先物にさや寄せする格好から16600円を割り込むと、一時16522.48円まで下げ幅を広げる場面もみられた。

ただし、円相場が1ドル107円20銭辺りと朝方からやや円安傾向に向かっていることもあり、下げ幅を縮めている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1200を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは空運、精密機器、輸送用機器が小じっかりな半面、鉱業、鉄鋼、石油石炭、非鉄金属、その他金融、水産農林、海運、不動産が冴えない。

日経平均は一時一目均衡表の雲下限を割り込む場面もみられたが、その後は雲の中での推移。ただし、パラボリックはSAR値にタッチしたこともあり、陰転シグナルが点灯している。ボリンジャーバンドでは5月以降、支持線として機能していた-1σの水準での攻防をみせている。週末要因から仕掛け的な売買は限られようが、SQ値(16639.11円)を下回って推移しており、心理的には手掛けづらさが窺える。

円相場がやや円安傾向を見せてきていることもあり、輸出関連辺りの切り返しを支えにSQ値を捉えてくるかが注目される。また、中小型株についてもLINE関連が買い先行後の伸びが今一つであり、中核となる銘柄の出現が待たれる。


(株式部長 村瀬智一)



■ドル・円は107円15銭付近、ドルもみあい、株価などをにらんだ展開


10日午前の東京外為市場では、ドル・円は107円を挟んでもみあう展開となった。株価などをにらんだ取引が続いた。

ドル・円は日経平均株価の下げ幅拡大を受け、一時106円91銭まで下落したが、その後は長期金利に反応し、107円26銭まで切り返した。

株安を受けリスク選好的なドル買いはやや後退したが、ランチタイムの日経平均先物は下げ渋っており、ドル・円はアジア市場ではドルは106円90銭近辺から下値は堅そうだ。

ここまでドル・円は106円91銭から107円26銭、ユーロ・ドルは1.1292ドルから1.1320ドル、ユーロ・円は120円81銭から121円22銭で推移。

12時25分時点のドル・円は107円15銭、ユーロ・円は121円05銭、ポンド・円は154円84銭、豪ドル・円は79円44銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄

・値上がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位はテルモ<4543>
・韓国中銀総裁「緩和的な金融政策を当面維持」
・資源関連の下げが目立つ
・住友商事、ファナックなど9社の目標株価変更


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・13:30 4月第3次産業活動指数(前月比予想:+0.6%、3月:-0.7%)


<海外>
・15:00 独・5月消費者物価改定値(前年比予想:+0.1%、速報値:+0.1%)

《WA》

 提供:フィスコ

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