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【経済】NYの視点;来週は日米金融政策が焦点に


来週は日米の金融政策決定会合、米国の5月の小売売上高に注目が集まる。米小売り売上高は米国経済の7割を消費が占めるため注目材料となる。先週末発表された5月の雇用統計がネガティブショックとなったことや、欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国の国民投票を控えて、米連邦準備制度理事会(FRB)は6月連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送ることがほぼ確実視されている。ロイターがエコノミストを対象に実施した最新調査で、今月のFOMCでの政策決定において、英国の国民投票が著しい要因となると見ていることが明らかになった。

歴史上初めてのマイナス金利を導入した日本銀行は、当面様子見方針を維持すると見られている。また、一段と状況が悪化した場合の緩和手段も限られるため、追加緩和には慎重を要する。また、英国の国民投票前で不透明感も強い。しかし、2%物価目標の達成が先送りされる中、追加緩和は時間の問題との見方。投資家は7月にも追加緩和に踏み切ると見ている。万が一、今回の会合で追加緩和が実施された場合はサプライズとなり円の売り戻しに拍車をかける可能性がある。世界銀行は今週、四半期ごとの報告で日米の2016年の見通しを引き下げている。2016年日本成長見通しは0.5%と、従来の1.3%から下方修正した。2016年米国の成長見通しは1.9%で、従来2.7%から下方修正された。

米国では、年内の利上げの道筋を確認する上で、同時に発表される声明、会合後のイエレンFRB議長の会見、四半期ごとに発表されるFOMCの見通しSEP(The summary ofEconomic Projections)が鍵を握る。世界経済の弱さが見通しに影響するとして突如ハト派に転じた3月時点の講演とは違い、イエレン議長は統計後の講演で、依然米国経済に強気な見方を示した。世界経済の逆風も慎重ながら和らぎつつあるとの見方。インフレを今まで抑制していた原油も下げ止まり、ドル高も一段落したためインフレも目標に向けて上昇するとの見方を示した。労働市場に関しても5月の結果に「失望した」とし、今後動向に注視していく方針を表明したが、「他の雇用関連指標はポジティブ」で、「たるみも解消されつつある」と楽観的な見方も示した。金利もいずれ上昇すべきだとの考え。このため、7月の利上げはまだ除外されたわけではない。声明やイエレンFRB議長の会見、予測でも強気の見通しが示された場合ドル買いが再燃する可能性もあると見る。


■来週の主なイベント

●米国
14日:5月小売売上高:前月比予想+0.3%(4月+1.3%)
14、15日:連邦公開市場委員会(FOMC):予想:FF金利誘導目標0.25?0.50%のレンジ維持

●日本
日銀金融政策決定会合

●ユーロ圏
16日:欧州中央銀行(ECB)が経済報告を公表、5月消費者物価指数

●地政学的リスク
ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン

《NO》

 提供:フィスコ

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