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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

日精工 <日足> 「株探」多機能チャートより

■日本精工 <6471>  876円 (-40円、-4.4%)

 東証1部の下落率10位。日本精工 <6471> やオークマ <6103> 、ミネベア <6479> など機械株が安い。足もとで為替の円高が進んでいることに加え、9日内閣府が発表した4月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標である「船舶電力を除く民需」(季節調整値)は前月比11.0%減と市場予想(3.0%減)を下回ったことが嫌気された。設備投資需要の先行きに不透明感が強まったことが機械株の売り要因となっている。

■クミアイ化学工業 <4996>  764円 (-20円、-2.6%)

 クミアイ化学工業 <4996> が4日続落。大和証券はリポートで、会社側が16年10月期上期の営業利益予想を34億円(従来40億円)へ下方修正したことについて、円高と国内農薬販売の低迷が主因で、同証券の従来予想を下回りネガティブな印象と指摘している。同証券の16年10月通期の営業利益予想を33億円(従来45億円、会社計画は32億円)、17年10月期は40億円(同49億円)へ下方修正。目標株価は1500円から900円へ引き下げているものの、期待の畑作用除草剤「アクシーブ」の販売は順調であり、来期以降の販売見通しに大きな変化はないとの見方で、投資判断は「1」(買い)を継続している。

■新東工業 <6339>  833円 (-21円、-2.5%)

 新東工業 <6339> が反落。東海東京調査センターでは、自動車・部品メーカーの国内設備投資は17年3月期も堅調に推移すると指摘。同社としては、受注引き合いは増えているものの小口案件が多く、受注見通しが難しくなっている模様としながらも、足もとで受注動向が落ち込む兆候は出ていないため、会社計画には上振れ期待があると解説。「会社計画はやや慎重な見通し」との見解を示している。

■三菱重工業 <7011>  426.5円 (-8.1円、-1.9%)

 三菱重工業 <7011> が反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、MRJ、客船など懸念材料は解消に向かっていると指摘。米原子力発電所関連の訴訟問題が当面の最大の懸念材料としながらも、極度に多額の賠償金となる可能性は低いと考え、石炭火力プラントの量産効果などから17年3月期営業利益は2ケタ増益を予想。レーティング「オーバーウエイト」を継続、目標株価は760円から600円に引き下げている。

■TSIホールディングス <3608>  612円 (-11円、-1.8%)

 TSIホールディングス <3608> が年初来安値を更新。8日取引終了後に5月売上高を発表し、既存店売上高が4.1%減と10カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。「全体として、同社の中間価格帯ブランドは厳しい状況にあるが、新規出店やECなどで売り上げ増を目指す」(管理本部広報担当)としている。なお、15年8月以前に廃止したブランドを除いた既存事業の5月全店売上高は前年同月比2.4%増だった。

■三井不動産 <8801>  2,569.5円 (-46円、-1.8%)

 三井不動産 <8801> や三菱地所 <8802> 、住友不動産 <8830> といった不動産株が安い。ドイツ証券は8日、不動産3社の目標株価を引き下げた。三井不の目標株価は4760円から3350円に、三菱地所は2945円から2325円に、住友不は5850円から4460円に見直した。レーティングは、三菱地所の「ホールド」以外は「バイ」で、それぞれ据え置かれている。同証券では、再開発バブルと相続税対策バブルという「静かなるバブル」の崩壊は始まっており、マイナス金利政策導入でその崩壊に拍車が掛かっている、と指摘。過熱する不動産貸し出しも懸念材料で、何らかの規制が導入されれば、不動産市場は大きな調整を余儀なくされる、とみている。

■楽天 <4755>  1,170円 (-17円、-1.4%)

 JPモルガン証券のインターネット、ゲームセクターのリポートでは、ゲームはコンソールゲーム市場の好調が続くなか、「VR」や任天堂「NX」など新型ハードのローンチも控え、材料が豊富と指摘。インターネット広告は、ソーシャル・インフィード・動画広告などの新商材が市場を牽引し環境は良好も、銘柄選択には注意が必要との見方で、eコマースは大手間での競争が激化し動向を注視する必要あるものの、市場全体はeコマースユーザーの増加により安定高成長が期待できると解説。個別銘柄では、楽天 <4755> 、任天堂 <7974> 、ディー・エヌ・エー <2432> 、スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> 、アスクル <2678> を推奨し、「大型ピック」として楽天と任天堂を紹介。両社とも中期エントリーの好機と評価している。

■トヨタ自動車 <7203>  5,603円 (-78円、-1.4%)

 トヨタ自動車 <7203> 、日産自動車 <7201> 、富士重工業 <7270> など自動車株に売りが先行。米国では5月の雇用統計発表を受けて6月利上げの可能性が非常に低くなった。これに伴う日米金利差拡大の思惑が後退、為替市場ではドル売り円買いの動きに反映されている。足もとは再び1ドル=106円台後半まで円高が進行、輸出採算の悪化を懸念した売りが優勢となった。なお、トヨタ、日産自、富士重いずれも17年3月期通期想定レートは1ドル=105円で実勢よりは円高に設定されている。

■広島銀行 <8379>  383円 (-5円、-1.3%)

 広島銀行 <8379> が小反落。SMBC日興証券は、17年3月期は同行が出資する投資ファンドが保有していた大口株式の売却益約100億円が上期に計上される見込みであり、この一過性の利益が利益水準を大幅に押し上げるとリポートで指摘。ただ、これを除くと実質3割減益であり、マイナス金利導入に伴う資金利益減少などの影響を大きく受けることになると解説。同証券では、一過性の利益が剥落する18年3月期業績が厳しくなるとみて、連結純利益で17年3月期比2割減益を予想。また業績連動配当のため、配当も減少が続くと予想。目標株価を450円から400円へ引き下げ、投資評価は「2」(中立)を継続している。

■デンソー <6902>  3,932円 (-51円、-1.3%)

 デンソー <6902> が実に7営業日続落。ドイツ証券はリポートで、営業利益は弱いと指摘。自動運転技術などへの対応で研究開発投資が高水準、独占禁止法関連などで「その他の費用」が15年3月期に396億円、16年3月期は619億円計上され利益水準が切り下がったと分析。同証券は17年3月期第1四半期について、熊本地震による自動車生産減少影響などから20.7%営業減益と予想している。ただ、同社は政府の自動走行システムプログラムでV2X技術の実用化を担い、今後同社の運転支援システム売上高は実際に拡大を始めると解説。目標株価を5600円から5000円へ引き下げているものの、投資判断は「バイ」を継続している。

■東洋紡 <3101>  203円 (-2円、-1.0%)

 SMBC日興証券の化学・繊維セクターのリポートでは、総合化学・合繊は4-6月期の大幅減益が不可避も、主要石化製品の市況・マージンが回復へ転じているため、上期・通期計画に対する上方修正期待の醸成が株価反転のカタリストになると指摘。電子材料は足もとでNANDフラッシュの需給タイト化に拍車が掛かっているも、スマートフォンやパソコン、液晶テレビなどの末端需要に力強さを欠き、ファンダメンタルズと投資指標両面で買い材料に乏しいとみて、ファインケミカルは4-6月期業績がサブセクター間の相対比較で最も堅調でも、原油価格反転に伴うマージン縮小懸念が株価上昇の重石になると解説。サブセクターの選好順位を総合化学・合繊>ファインケミカル>電子材料の順に設定。個別銘柄では東洋紡 <3101> 、東ソー <4042> 、三井化学 <4183> をトップピック推奨している。

※9日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。


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