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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は5月3日以来の105円台突入を警戒

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今晩の欧米市場では、ドル売り加速が警戒されよう。米雇用統計の大幅下振れや、イエレンFRB議長の講演などから早期の米金利引き上げ観測が後退。また、三菱東京UFJ銀行による国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー)の権利返還報道を受けて、追随する金融機関が出るのではないかとの思惑がリスク回避の円買いを誘発しそうだ。

シカゴ・マーカンタイル取引所が算出している米国政策金利の市場予想を示すFF金利先物では、6月利上げを予想する割合は4%、7月利上げは27%となっている。5月末時点での6月利上げ予想は30%超だったことを考慮すると、6月利上げを予想する市場関係者はほぼ0と言えよう。また、7月利上げに関しては同じく5月末時点で60%ほどだったことから、こちらは半減。昨年12月に実際利上げした際、利上げを予想する割合が70%を超えていたことを考えると、現状、7月利上げを期待する動きは高まりにくい。こうした背景から、積極的なドル買いは手控えられると見る。

そして、昨日報じられたプライマリー・ディーラーの権利を三菱UFJが国に返還すると検討と報じられたことで、日本の金融政策に対する不透明感が高まりつつある。ドル・円は6日に足元の安値106円38銭を付けた。本日の欧米時間で、この水準を割り込むと5月3日以来の105円台突入が警戒されよう。3日の17時に付けている105円55銭を意識した展開となれば、明日の東京株式市場は売り優勢となり、6月メジャーSQ値は想定外に低い水準となる可能性もある。


【今日の欧米市場の予定】
・17:30  英・4月貿易収支(予想:-111.00億ポンド、3月:-112.04億ポンド)
・21:30  米・先週分新規失業保険申請件数(予想:27.0万件、前回:26.7万件)
・23:00  米・4月卸売在庫(前月比予想:+0.1%、3月:+0.1%)
・02:00  米財務省30年債入札(120億ドル、リオープン)

《WA》

 提供:フィスコ

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