
ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより
9日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・SQを意識したこう着、個人は中小型株やテーマ株に
・ドル・円は106円58銭付近、ドル弱含み、株安を受けリスク回避の動き
・一部報道、著名投資家ジョージ・ソロス氏が、金と金鉱会社の株式を購入と
■SQを意識したこう着、個人は中小型株やテーマ株に
日経平均は反落。153.08円安の16677.84円(出来高概算8億株)で前場の取引を終えている。米株高や原油先物相場の上昇が下支えとして意識されるも、円相場は1ドル106円台での推移と円高が重石になった。また、4月の機械受注統計によると、民間設備資の先行指標である「船舶、電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比11.0%減と予想を大きく下回ったことも売りを誘う格好に。
日経平均は16785.83円と下げ幅を縮める場面もみられたが16800円には届かず、その後は円高が嫌気される格好から、じりじりと下げ幅を広げている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは原油高を受けて鉱業、石油石炭が堅調。一方で保険、パルプ紙、銀行、空運、その他金融、金属製品、ガラス土石、輸送用機器、機械などが冴えない。
日経平均は価格帯別出来高が膨れている16800-17000円レベルが抵抗となる格好で調整している。ただし、5日、25日線レベルでの踏ん張りがみられており、底堅さは意識される。先物オプションSQを控えていることもあり、仕掛け的な商いも出しづらいところであろう。一目均衡表では雲上限と転換線とのレンジ内での攻防。このところは下ひげを残す格好で切り返す展開をみせていることもあり、権利行使価格の16750円と16875円とのレンジ辺りへは戻しておきたいところであろう。
物色は中小型株に個人マネーがシフトしており、ブランジスタ<
6176>、東芝<
6502>、SOSEI<
4565>、PD<
4587>、JIG?SAW<
3914>、アキュセラ<
4589>が堅調。また、フィンテック、ブロックチェーンなどのテーマ株の一角にも動意がみられており、後場もこれら銘柄、テーマ株に資金流入が続きそうだ。
(株式部長 村瀬智一)
■ドル・円は106円58銭付近、ドル弱含み、株安を受けリスク回避の動き
9日午前の東京外為市場では、日経平均株価の下落を受け、ドルは弱含む展開となった。
ドル・円は朝方107円09銭を付けた後、日経平均株価の弱含みを受け売りが続いている。午前中は一時106円52銭まで下落した。
ランチタイムの日経平均先物は軟調推移のため、ドルは午後も安値圏推移となろう。ただ、106円50銭以下には個人のドル買い興味が残されており、下げは小幅にとどまるかもしれない。
ここまではドル・円は106円52銭から107円09銭、ユーロ・ドルは1.1391ドルから1.1414ドル、ユーロ・円は121円53銭から122円04銭で推移。
12時23分時点のドル・円は106円58銭、ユーロ・円は121円65銭、ポンド・円は154円61銭、豪ドル・円は79円73銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・値下がり寄与トップはファーストリテ<
9983>、2位ソフトバンクG<
9984>、2銘柄で日経平均を約25円押し下げ
・著名投資家のジョージ・ソロス氏が、金と金鉱会社の株式を購入したとの報道
・楽天、日本電産など9社の目標株価変更
・NZ中銀総裁「必要に応じて政策金利変更の余地はある」
・中曽日銀副総裁「物価が2%に達するのは2017年度中になる」
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・12:45 5年利付国債入札結果
・14:00 中曽日銀副総裁会見
<海外>
・14:45 スイス・5月失業率(季調済)(予想:3.5%、4月:3.5%)
・15:00 独・4月貿易収支(予想:+228億ユーロ、3月:+262億ユーロ)
・ASEM財務相会合(10日まで)
・中国(9-11日)、香港(9日)、台湾(9-10日)が端午節で休場
《WA》
提供:フィスコ